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アマビエが描かれた江戸期の瓦版。兵庫県立歴史博物館の特別展で公開されている(京都大学付属図書館蔵)
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アマビエが描かれた江戸期の瓦版。兵庫県立歴史博物館の特別展で公開されている(京都大学付属図書館蔵)

 科学的な知見が重視されるコロナ禍において、科学的とは言い難いアマビエがなぜ人々の心をつかんだのか。兵庫県内の有識者は、日本人の固有性や会員制交流サイト(SNS)の普及を理由に挙げる。

 「近代科学の力でもどうしようもない状況に直面したとき、人は『わらにもすがる思い』になる」。ドイツ出身で、新温泉町の安泰寺で住職を務めるネルケ無方(むほう)さん(52)が指摘する。

 危機にひんして迷信に走る傾向は欧米でも見られるが、アマビエのようにかわいらしいキャラクターに願いを託すのは日本人ならではという。「欧米人には理解し難いが、それで安心感を得られるのなら、役割を果たしていることになるのだろう」とする。

 自作のイラストを投稿する「アマビエチャレンジ」など、SNSの拡散力がブームにつながったとみるのは、県立歴史博物館(姫路市)の香川雅信学芸課長(51)。「ステイホームで娯楽を奪われた人たちが軽い気持ちでイラストを描いたのであって、アマビエを信じる、信じないという問題ではないのでは」と冷静に分析する。

 県立歴史博物館で開催中の特別展「驚異と怪異」では、アマビエを最初に描いたとされる江戸期の瓦版も展示されている。8月16日まで。同館TEL079・288・9011

(小川 晶)

 

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