兵庫県は29日、新型コロナウイルス感染の再拡大に伴い、独自基準の感染「拡大期1」に入ったと発表した。5段階ある警戒指標のうち、より深刻な4段階目に移り、県は新たに大人数での会食や飲み会を控えるよう県民に呼び掛けた。また保健所職員が接待を伴う飲食店などを巡回し、感染防止対策の周知を徹底することも決めた。(井関 徹)
県は過去1週間の新規感染者の1日平均に基づき、社会活動制限や病床数の確保レベルを上げる警戒指標を設定。この日は46人の新規感染者が確認され、同平均が指標の30人を超えた。7月中旬以降、6日おきに「増加期」「拡大期1」と急速に段階が上がっている。
拡大期入りを受けて急きょ開いた対策本部会議後、井戸敏三知事は会見で「(感染者が)急カーブで増えてきており、まさに今が正念場」と懸念を表明。以前からの「夜の街」対策だけでなく、「(ウイルスが)家庭や職場に持ち込まれるケースも増えている」と対応の必要性を指摘した。
県は対策として、東京都など感染が再拡大している地域との不要不急の往来自粛に加え、大人数での会食や飲み会、若者グループに接待を伴う飲食店などの利用を控えるよう求めた。
いずれも新型コロナの特別措置法24条に基づく協力要請で、強制力はない。家族との会食は自粛要請の対象外になるという。
大阪府は「5人以上の飲み会」などの自粛を要請しているのに対し、井戸知事は「大人数について議論したが、2桁(10人以上)は大人数。人数の区切りは難しく、それぞれで判断してもらいたい」とした。
また、県外ではクラスター(感染者集団)が発生している接待を伴う飲食店や居酒屋などに対し、感染予防ガイドラインの徹底を強化。保健所による食品衛生法に基づく巡回指導に合わせ、対策の周知を図る。
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