総合 総合 sougou

  • 印刷
平和学習で、黒田権大さんの体験談を教室のテレビで視聴する生徒ら=姫路市延末、市立山陽中学校(撮影・山本 晃)
拡大
平和学習で、黒田権大さんの体験談を教室のテレビで視聴する生徒ら=姫路市延末、市立山陽中学校(撮影・山本 晃)

 戦後75年を迎える今年の夏、新型コロナウイルスの感染予防のため、戦争体験者を招いて話を聴く授業を取りやめるなど平和学習を縮小する学校が兵庫県内で相次いでいる。平和を学ぶ広島、長崎、沖縄県への修学旅行も軒並み中止に。節目に水を差す状況に、体験者から「こんな形で後世に伝える機会を失うのは残念」と嘆く声が聞かれる。(斉藤絵美)

 「75年という節目の年なのに、とてももどかしい」

 そう話すのは、姫路空襲の体験を語り継いできた元高校教師の黒田権大(ごんだい)さん(91)=姫路市。小中学校などで年10回ほど講演してきたが、本年度は7月上旬に市内の中学校からあった1件のみ。それも、感染予防として、事前に録画した講演を各教室で放送する形を取った。

 兵庫県原爆被害者団体協議会の岡邊好子理事長(90)=宝塚市=も前年度は22回講演したが、本年度はまだゼロ。「命のある限り伝え続けたいのにこんなことになるなんて」と悲しむ。

 神戸新聞社が県内全41市町に平和学習の状況を尋ねたところ、少なくとも14市町がコロナの影響で、戦争体験者による講演会の取りやめや、修学旅行先の変更が判明した。

 神戸市や赤穂市の学校は感染予防のため、外部の人を招く講演会を自粛。芦屋市は、毎年夏休みに中学生を対象に催してきた平和学習会を中止した。同市教育委員会の担当者は「休校で失われた授業時間を補うため夏休みが例年より短い上、『3密』も避けられない」と理由を説明する。

 一方、修学旅行で平和学習を兼ねてきた学校も多い中、コロナ感染予防で公共機関を使った遠方への旅行を見直す動きが加速。行き先の変更に伴い、学習内容の見直しも迫られている。

 伊丹市の小学校は、修学旅行で広島を訪れ、広島平和記念資料館や平和記念公園を巡るのが定番コースだが、今年は修学旅行自体の中止を決めた。例年、1学期に多くの修学旅行生が訪れていた同資料館は団体客が減少。同館で被爆者の証言を聴く講話は3月以降、計875件のキャンセルがあったという。

 養父市の小学校の修学旅行先も例年は広島だが、感染リスクを減らすため、京都や奈良などの近場に変更。同市教委担当者は「広島を題材とした事前事後の学習はできなくなったが、内容を変えてもしっかりと平和学習に取り組んでほしい」と話す。

【記事特集リンク】新型コロナウイルス

総合の最新
もっと見る

天気(8月13日)

  • 33℃
  • 28℃
  • 30%

  • 34℃
  • 25℃
  • 30%

  • 34℃
  • 28℃
  • 20%

  • 35℃
  • 27℃
  • 40%

お知らせ