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加古川水系の下流域でウナギ漁の仕掛けを確認する福井孝佳さん=加古川市内
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加古川水系の下流域でウナギ漁の仕掛けを確認する福井孝佳さん=加古川市内
加古川で捕れた天然ウナギ=加古川市加古川町木村
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加古川で捕れた天然ウナギ=加古川市加古川町木村
天然物(上)は養殖物に比べて腹が金色で、頭も大きい(うな高提供)
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天然物(上)は養殖物に比べて腹が金色で、頭も大きい(うな高提供)

 8月2日は今夏2回目の「土用の丑」の日。天然ウナギというと高知県の四万十川など清流のイメージが強いが、兵庫県中央部を流れ、河口に工業地帯が広がる加古川の下流にも、食用として扱えるニホンウナギの成魚が生息している。身近な水環境の豊かさに目を向けてもらおうと、近年、漁に取り組み始めた人もいる。(若林幹夫)

 加古川市内でイタリアンレストランなどを営む福井孝佳さん(44)。地元でウナギ漁を始めて3シーズン目になる。7月中旬、加古川下流域の支流で今年初の漁に挑んだ。

 漁は長さ約70センチ、直径約10センチの筒状の「てぼ」と呼ばれる仕掛けを使う。片方の端は穴がなく、ウナギが入ると出られないよう「返し」の構造になっている。

 福井さんは加古川漁業協同組合(西脇市)から1回の漁につき、てぼ5本を仕掛けられる遊漁券(年券税込み3240円)を購入。夕刻、餌のミミズを入れた数本を「ウナギがいそうな」水草の根元などに沈めた。餌の匂いが広がりやすいよう、適度な水の流れも必要という。

 翌日、再び同じ場所へ。梅雨の長雨で膝上まで水位が上がった川に入り、仕掛けたてぼを引き上げる。ウナギが掛かったのは1本だけだったが、「初物が捕れてよかった」と胸をなで下ろした。300グラム近くあり、食用には十分。腹が金色なのが天然物の証しだ。

 1年目は釣果ゼロも珍しくなかったといい、「失敗を繰り返し、どこに仕掛けたらいいのか感覚がつかめるようになった」と福井さん。レストランでオーガニック(有機栽培)食材を扱ううちに、地元の食資源に興味を持ったのが漁のきっかけという

 「水がきれい過ぎても味がプレーンになる。加古川はちょうどいい水質」とし、「加古川にウナギがいることを多くの人に知ってもらい、身近な自然環境に目を向けてほしい」と話す。

 捕れたウナギは、高砂銀座商店街西口にある「活鰻・卸 うな高」(高砂市高砂町鍛冶屋町)に出荷し、専門店の技でさばいてもらう。「養殖とは違った味わいが楽しめる」と店主の井口幸介さん(37)。天然物は養殖に比べ身が締まり歯応えがあるという。

 うな高では、浜名湖産の養殖と、地元の天然物が入った「食べ比べ」のメニューも用意している。ただし「土用の丑」の繁忙期は提供しておらず、事前予約が必要。うな高TEL079・443・6011

■天然のニホンウナギ 供給量全体のわずか0・1%

 水産庁によると、2019年に国内で捕れた天然のニホンウナギは66トンで、養殖と輸入を含むウナギ供給量全体のわずか0・1%程度。約60年前の1961年(3387トン)と比べると、50分の1にまで落ち込み、絶滅危惧種に指定されている。

 ニホンウナギの漁場は関東から西側の太平洋、瀬戸内海沿岸の河川。漁獲量が激減した原因には、消費量の伸びに伴う乱獲や河川改修による生息環境の悪化、海洋環境の変動が可能性として挙げられている。

 ウナギは5~15年間、川で生活した後、秋から冬にかけて海に下る。約2千キロ離れたマリアナ諸島付近で産卵し、稚魚が黒潮に乗って戻ってくる。資源保護のため静岡、高知県などは産卵に向かう時期は捕獲を制限している。

 加古川では毎年、加古川漁業協同組合(西脇市)が中流域を中心に養殖1~2年目の成魚200キロ以上を放流している。川でさらに育ち、海に出て産卵した後、卵からかえった稚魚が川に戻ってくるのを狙う。同漁協の担当者は「ウナギ漁をする人も減ってきたが、生息自体が川の魅力になる」と話す。(若林幹夫)

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