神戸市西区の神出病院で精神疾患のある入院患者を虐待したとして元看護師ら男6人が逮捕、起訴された事件を受け、兵庫県弁護士会や県精神福祉家族会連合会など6団体が3日、原因究明や再発防止のため、第三者委員会の設置を求める要請書を同市に提出した。
一連の事件では、先月、2人が神戸地裁で有罪判決を受け、判決によると、病室で布団に寝かせた男性患者の上から逆さにした医療用ベッドを覆いかぶせて閉じ込めたり、男性患者同士でわいせつな行為をさせたりした。
6団体は精神科病院の閉鎖性を指摘しており、三好登志行弁護士は「市は改善命令など一歩踏み込んで権限行使を」と訴えた。
同市の花田裕之健康局長は第三者委の設置要請に対し既存の審議会で対応すると回答。市内の精神科病院との間で虐待が発見された場合に報告を課すルールを策定したと説明し、「現行法では病院に通報義務はないが、『神戸ルール』として徹底を求めていく」とした。(小谷千穂、初鹿野俊)
