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兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5
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兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らに不妊手術が繰り返された問題で、国の救済法に基づく被害者への一時金支給が進んでいない。兵庫県内では少なくとも330人が旧法による強制手術を受けたとされるが、救済法施行から1年以上がたった7月末時点で、県が窓口となり支給に至ったのは7人にとどまる。県は「多い数字とはいえない」とするが、当事者の心情などを理由に、被害の掘り起こしには消極的だ。(田中宏樹)

 昨年4月施行の救済法は、一時金320万円の支給対象を生存する被害者に限定。本人の申し出が前提で、高齢化が進む被害者の掘り起こしや、救済制度の周知が課題となっている。

 兵庫県は66~74年に「不幸な子どもの生まれない県民運動」を展開。強制手術の費用負担などを行ったが、残存する記録は極めて少ない。国への提出書類などで65人の実名を確認したものの、このうち現住所を特定できたのは1人で、ほかは死亡か消息不明だった。

 県は救済法を説明するちらしを障害者施設などへ配り、電話相談窓口を設置。約70件の相談を基に、8月2日までに16人が一時金請求に至った。いずれも記録が残る65人とは別人とみられるという。

 県は電話相談は継続する一方、新たな実態調査は行わない方針。県健康増進課は「新たな資料や記録が見つかることは考えにくい上、手術を家族に伝えていない人もいる。心の傷をえぐることはしたくない」と説明する。

 全国的にも支給は進んでいない。厚労省は旧法に基づく手術を受けた約1万2千人が生存すると推計するが、7月末時点での一時金支給は、兵庫を含め661人。都道府県別では宮城の81人が最多で、北海道65人、茨城31人と続く。

 被害者らを支援する「優生保護法による被害者とともに歩む兵庫の会」の井上義治事務局長は「兵庫県は手術を推進した過去があるのに対応が不十分。被害の全容が分かるまで調査するべきだ」と求めている。

 兵庫県の専用相談窓口TEL078・362・3439

【旧優生保護法】「不良な子孫の出生を防止する」ことなどを目的に掲げ、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に強制的な優生手術(不妊手術)を認めた法律。議員立法により1948年に施行され、96年に優生手術などの規定が削除されるまで、全国で約1万6500人に強制手術が行われたとされる。ほかに約8500人が「同意あり」として手術を受けたが、実態は強制だったケースもあるとみられている。

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