兵庫県の井戸敏三知事は7日の定例会見で、新型コロナウイルス感染対策で、災害時の避難所が満員になる想定になった場合、新たな避難所を設けるよう各自治体に促す方針を示した。九州西岸を北上した台風10号では、新型コロナ対策で収容人員が減り、避難所が満員になる問題が生じた。
九州各地の避難所では、「密」を避けるために収容人員を減らした結果、予定した体育館や小学校などが満員となり、避難者に余裕のある施設を紹介するなどの混乱が生じた。
井戸知事は「(想定される避難者の)人数は決まっている。1カ所で(コロナの)対応が難しければ、事前に避難所をもう1カ所準備することが必要。各市町に徹底したい」と指摘。避難所の拡大に向け、県立施設に使用の要請があれば、各市町に提供する考えも明らかにした。
県は6月、新型コロナの感染拡大を受け、クラスター(感染者集団)の発生を防ぐため、自然災害時の避難所の在り方をまとめたガイドラインを策定。ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の確保は、3人家族で「1世帯20平方メートル」の居住面積が必要としている。
県によると、この数値を満たすには、県内にある現在の避難所約2500カ所の「2倍以上が必要」という。県は、避難所数の拡大に加え、各世帯の面積を減らすため間仕切りの活用も各市町に促している。(藤井伸哉)
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