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予告編のワンシーン。名ぜりふ「アイルビーバック」を「またな」という手話で表現する手話ちゃん
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予告編のワンシーン。名ぜりふ「アイルビーバック」を「またな」という手話で表現する手話ちゃん
7月中旬に伊丹市や尼崎市で行われたロケの様子(大原さん提供)
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7月中旬に伊丹市や尼崎市で行われたロケの様子(大原さん提供)
予告編のQRコード
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 聴覚障害者のコミュニケーションの手助けとなる手話への理解を深めようと、兵庫県阪神間や大阪の市民グループが制作したショートムービーが近く完成する。主人公は、その名もSHUWA(手話・しゅわ)ちゃん。世界的名作映画「ターミネーター」を「おもしろく、ばかまじめに」参考にしつつ、障害者や新型コロナウイルス禍で不便に直面している高齢者の課題を丁寧に描いた。(久保田麻依子)

 「SHUWACHAN BARRIER CRASH」とのタイトルで、完成後は講演会や企業研修などでも活用する方針。関係者は「手話をエンターテインメント文化として育て、健常者と障害者を隔てている壁を壊すきっかけにしたい」と期待を寄せている。

 あらすじはこうだ。未来から2020年に送り込まれた、「ターミネーター」の主人公を模した手話ちゃんが目にしたのは、コミュニケーションがうまく取れない障害者や高齢者たちが困り果てている世界。それを救おうと、手話ちゃんが仲間を得ながら「手話ブーム」を巻き起こす-。

 新型コロナの拡大で、マスク着用やオンラインでの会話が日常化したことにも触れる。「日常生活が困難になり、取り残されている人が増えている」との危機感も示し、映画の名ぜりふ「アイルビーバック(またな)」も手話で盛り込む本格ぶりだ。

 映像制作のきっかけは昨年、イベントやデザインの企画・制作を手掛ける大原智さん(36)=伊丹市=が、同市職員の手話通訳士から「手話言語条例を市民に普及させたい」と相談を受けたことだ。そこで、福祉をテーマにしたイベント企画などに取り組む藤本遼さん(30)=尼崎市=と、大阪を拠点に手話パフォーマンスを披露している団体「oioi(オイオイ)」に協力を依頼。コンセプトは「手話を取り巻く環境や、コミュニケーション手段としての重要性をおもしろく、かっこよく伝えよう」。

 制作費約100万円はクラウドファンディングで募った。撮影は7月中旬、尼崎港や伊丹市内など計7カ所で実施。聴覚障害者の当事者でもあるoioiのメンバー8人も加わり、迫真の演技を披露した。

 oioi代表で、重要な役を演じる岡崎伸彦さん(37)は「固いイメージで疎遠になりがちな“福祉っぽさ”を消すことにこだわった」と強調。登場する手話ちゃんのサングラスは「ターミネーター2」で使用されたモデルを使い、クラウドファンディング寄付者へのお礼に「手話ちゃんとの握手会」を企画するなど、微細なこだわりも随所に。

 動画配信サイト「ユーチューブ」ではすでに予告編を配信。約30分の本編は9月中に完成し、無料配信する。プロジェクトマネジャーを務めた藤本さんは「聴覚障害がある人との関わりを通し、今まで気付かなかった日常の不便さや配慮の必要性を見つめ直すきっかけにもなった。そうした気付きを共有できる人を全国に増やしたい」と語った。

 未来からきた手話ちゃんいわく、目標の再生回数は20万回。「これを機に手話があふれる未来へとつながってほしい」とのメッセージとともに、「本家の俳優にも届きますように」と願っているそうだ。問い合わせは一般社団法人GREENJAM(大原さん)TEL072・764・6569

【手話言語条例】手話を言語として位置付け、耳の不自由な人が暮らしやすい環境づくりや、手話を学ぶ機会の充実を図ることを目的に、県や市町村が制定する。国内では2013年に鳥取県が初めて制定し、近畿の自治体では15年に加東市が初めて制定。全日本ろうあ連盟(東京)の統計によると、8月下旬までに29道府県を含む計357の自治体で手話言語条例が成立している。18年に制定した伊丹市では、手話講座の派遣事業や医療機関での手話の普及など、八つの重点項目に取り組んでいる。

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