新型コロナウイルスの感染防止対策で、演奏者同士のソーシャルディスタンス(社会的距離)が必要となる中、約120人の大編成の管弦楽団による「アルプス交響曲」が19、20日の午後2時から、兵庫県立芸術文化センター大ホール(西宮市)で披露される。音響反射板を後ろに下げることで舞台の広さを普段の約1・5倍に広げ、入場者数も半分以下に制限して挑む。(網 麻子)
兵庫芸術文化センター管弦楽団の特別演奏会。指揮の佐渡裕芸術監督は「世界に発信したい」と意気込む。
同交響曲はリヒャルト・シュトラウスがアルプス登頂経験を基に作ったといわれる。約1時間の曲は、夜明け前に出発し、滝の音や牧場の牛の鳴き声を聞きながら頂上に到達、帰りに嵐に遭う一日を表現する。
ウインドマシーン(風の音が鳴る楽器)やサンダーマシーン(雷の音が鳴る楽器)が嵐を演出。「バンダ」という別動隊が通路で演奏し、楽曲を盛り上げる。
同楽団はもともと、同交響曲の演奏を予定。しかし感染防止のため演奏者が1メートル以上距離を取ると、全員が舞台に上がることができないという課題が浮上した。
オペラもできるように設計された大ホールは、舞台上の音響反射板を後ろに下げると、舞台を広げられる。「コロナの時代だからこそやろう」という佐渡芸術監督の強い思いもあり、アンサンブルをやりづらい面があるものの、音響反射板を後ろに約7メートル下げて実施すると決めた。
「大編成の迫力ある演奏を聞いてほしい」と担当の横守稔久プロデューサー。林伸光ゼネラルマネージャーは「コロナの中、舞台機構を最大限使い、他ではできないものをやる。私たちにとって実験であり、挑戦でもある」と話す。
天井に向けて風を送る「エアカーテン」で舞台と客席を仕切るなど感染防止対策を徹底。A席4千円など。20日の公演は有料でライブ配信する(視聴チケット千円)。芸術文化センターチケットオフィスTEL0798・68・0255
 
       
					 2020/9/10 10:11
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