「メビウスの輪」を題材にした石の抽象彫刻で知られる美術家牛尾啓三さん(68)=兵庫県姫路市=が、自らの国際活動30年を記念した作品展を12日から、兵庫県姫路護国神社(姫路市本町)の境内で開く。新型コロナウイルスの感染防止のため、14点すべてを野外展示する。
メビウスの輪は、細長い帯をひねって両端をはり合わせた、表裏の区別がない連続した面。数学で重視される図形で、石を刻み、表現するのは非常に難しいが、牛尾さんは1987年からモチーフとしている。
90年、38歳で南インド国際彫刻展に出品したのが牛尾さんの海外デビューだった。以降、ニューヨークで個展を開催、豪州の海辺が舞台の野外アート展「スカルプチャー・バイ・ザ・シー」に20年以上連続で出品するなど世界各地で作品を発表してきた。「無限」「輪廻(りんね)」などもイメージさせる牛尾作品は、欧米人の反応もよく、イスラエルでの国際彫刻シンポジウムでは最優秀賞を獲得。現在、米国、フランス、ノルウェーなど15カ国で自作が展示されている。
巨大な自作の多くは、重くて輸送も困難なため、本展では、アトリエに残された大作を中心に構成した。
コロナ禍で美術界でもネットを活用したリモート展示が注目されているが、「私の作品は石で頑丈なので直接手で触ってもらってもいい。質感や大きさ、空間を五感で感じ、楽しんでもらいたい」と話している。
22日まで。午前9時~午後5時。入場無料。(堀井正純)
 
       
					 2020/9/11 10:00
2020/9/11 10:00

 
											



 

 
 
 
 





