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生徒間の慣習の見直しを進める宝塚音楽学校(右)=宝塚市武庫川町(撮影・中川 恵)
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生徒間の慣習の見直しを進める宝塚音楽学校(右)=宝塚市武庫川町(撮影・中川 恵)

 阪急電車にお辞儀し、先輩への返答は「はい」「いいえ」のみ-。タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市武庫川町)が、生徒間で長年続いてきたあいさつ方法などの自主的な慣習について見直しを進めている。ジェンヌに求められる姿勢を育むためとして受け継がれてきた“伝統”の一部が下級生にとって過度な負担となっており、「世間の流れにそぐわない」として判断した。

 同校は1913年設立の各種学校。2年制で、上級生の「本科生」と下級生の「予科生」が各40人ほど在籍し、声楽や演劇などの授業を受ける。同校の卒業生のみが宝塚歌劇団の団員となる。

 未来のジェンヌとしての所作を身につけるためとして、長年、本科生が一対一で予科生に朝の校内清掃や生活態度などを指導。その中で、先輩後輩間のあいさつや表情のつくり方など、暗黙の作法が続いていたという。

 だがここ数年、学校内での行きすぎた指導やハラスメントなどへの社会の要請が強まっていることや、過度の指導を苦にする予科生がいることなどから学校側がルールについて考慮。段階的に見直しを図っているという。

 2019年春に現在の本科生が入学した時点で、一対一の指導体制を廃止。予科生が担う清掃も、3グループに分けてするように変更した。遠方にいる本科生への大きな声でのあいさつ、本科生がいるかもしれない阪急電車に条件反射で礼をすることや、本科生の前では困ったような表情をつくり、返事は「はい」「いいえ」に限定することなどもやめるようにしているという。

 一部の生徒間では数年前から、本科生に予科生が質問などを書いたノートを提出する決まりもできていたというが、とりやめた。同校はその他の慣習も見直しを進めるといい、今年3月末の合格発表後の入学説明会では、その方針を生徒らに伝えた。

 同校の堀内直哉事務長は「以前から改善は進めてきたが、(先輩に対し)まだ表情をつくる生徒もいる。社会の流れに沿い、首をかしげてしまうような部分は改めていく」としている。(大盛周平)

【宝塚音楽学校】宝塚歌劇団の団員養成を目的とした兵庫県認可の各種学校。1913年7月、阪急電鉄の創業者小林一三のもとで宝塚唱歌隊として創立。39年に歌劇団と分離され、46年に現校名となった。入学できるのは15~18歳の女性。声楽やバレエ、日本舞踊、演劇などを専門的に学ぶ。今年入学の第108期生には、倍率20倍超を突破した40人が合格した。

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