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日高地域で試験運行されている「オンデマンド交通」の車両。演劇祭参加者以外も利用できる=豊岡市日高町日置
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日高地域で試験運行されている「オンデマンド交通」の車両。演劇祭参加者以外も利用できる=豊岡市日高町日置
ブルートゥースの発信器が付いた特製パスポートと受信機=豊岡市役所
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ブルートゥースの発信器が付いた特製パスポートと受信機=豊岡市役所

 国際的に活躍する劇団などが兵庫県豊岡市内各地で公演する「豊岡演劇祭」(9~22日)で、過疎化や高齢化がさらに進む将来を見据え、まちづくりや観光に役立てるための実証実験が実施されている。市を含む同演劇祭実行委員会が、情報通信技術(ICT)などを活用したモビリティー(車などの移動手段)の提供や、人の移動データの集積などを試みる。(石川 翠)

 演劇祭では昨年の「第0回」の開催時から、まちづくりを意識した構想が持ち上がっていた。同演劇祭フェスティバルディレクターを務める劇作家平田オリザさんは、仏国・アビニョンで開かれる世界最大級の演劇祭をイメージする。しかし面積の小さなアビニョンとは異なり、同市は約698平方キロと県内の市町で最も広いため、メイン会場間でも車で最大40分かかり、公共交通機関も少ない。

 そこで、会場周辺を観光しながら演劇を楽しんでもらう「周遊型」を目指すことに。今回は新型コロナウイルス感染拡大のため積極的に打ち出すことは控えたが、来年以降に発展させるため、実験を始めている。

 その一つが、予約を集約して希望する場所で乗降できる「オンデマンド交通」で、ジャンボタクシーや小型バスの車両を全但バス(養父市)が土日祝日に運行。人工知能(AI)が効率的な経路を導き出す。JR江原駅と神鍋高原、但馬空港の3エリアを行き来でき、ウェブや電話で予約すると迎えに来てくれる。1回500円で、1人でも運行。また、1人乗りの超小型電気自動車「コムス」もレンタルしている。

 また、人の移動データを集積する試みも実施する。来場者が首から下げるパスポートのストラップに発信器が付いており、受信機がある会場や観光施設などで自動的に訪問が記録される。個人は特定されず、主催者が施設の混雑状況を把握でき、感染症対策にも役立つという。さらに観光客の移動データを、今後の観光戦略にもつなげる。

 これらの取り組みにはトヨタ・モビリティ基金(東京都)が協力。豊岡市と共同で「豊岡スマートコミュニティ推進機構」を今年5月に設立している。

 演劇祭のIT活用ではほかにも、地図・ルート検索サービス「ナビタイム・トラベル」の演劇祭専用ウェブページでオリジナルの「旅のしおり」を作成できるほか、KDDI(au)のスマートフォン決済サービスで各劇団に寄付する「投げ銭」もできる。

 演劇祭後も、路線バスが撤退した地域での交通実験などを検討。これらの経験を、今後の新しい交通手段の仕組みづくりや、まちづくりに生かしていくという。中貝宗治・豊岡市長は「新型コロナ感染拡大で『疎』の価値が高まる中、疎の非効率を技術で補い、人のつながりを支える地域を目指したい」と話す。

【連載・特集リンク】豊岡演劇祭2020

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