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虐待相談などを受ける児童相談所の面接室。昨年新設された明石市の児相は、国の基準以上の職員体制で臨む=明石市大久保町ゆりのき通1
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虐待相談などを受ける児童相談所の面接室。昨年新設された明石市の児相は、国の基準以上の職員体制で臨む=明石市大久保町ゆりのき通1

 兵庫県内の児童虐待相談件数が10年間で3・6倍になる一方で、県が所管する児童相談所(児相)の職員数はほぼ横ばいで推移している。現場の負担が増す中、児相間や関係機関の連携不足や兆候の見逃しで防げなかった被害もある。専門家は「中核市による児相の設置推進や人員拡充など国の積極的な対応が必要」と体制強化を求めている。

 県所管の児相5カ所(中央=明石、西宮、川西、姫路、豊岡)の相談件数は10年間で3・2倍に増えたが、臨時、非常勤を含む職員数は2019年4月現在で約250人と、10年4月の約240人から微増にとどまる。政府は専門性が高い児童福祉司の配置基準を厳しくするなど体制充実を打ち出すが、根本的な解決には至っていない。

 18年に東京都目黒区で5歳の女児が両親の虐待を受けて死亡した事件では、厚生労働省の専門委員会が「児相の引き継ぎが不十分で危険が十分に伝わらなかった」と認定。神戸市の児相では今年2月、真夜中に訪れた当時小学6年の女児が、夜間・休日の業務を委託するNPO法人の職員に追い返される問題が発生した。

 一方で、県内の通報経路で6割を占める「警察等」からの相談は、子どもの目の前で配偶者らに暴力を振るう「面前DV」が多い。連携が進む一方で、児相には警察の通報から原則48時間以内の安全確認が求められており負担が大きい。

 県内にある児相の関係者は「土日や夜しか訪問に応じない保護者もいる。不在で何度も自宅を訪ねることも多く、対応を急ぎたいのは当然だが、手が回らないことがある」と打ち明けた。

 県はこれらの現状を受け、尼崎市と加東市の2カ所に児相を来年4月までに新設する予定。担当者は「きめ細かな対応ができるよう取り組みたい」と話す。

 目黒区などの事件では、親が「しつけ」を名目に虐待を繰り返しており、政府は親権者らが子どもをしつける際の体罰を禁止する改正児童虐待防止法などを今年4月に施行した。これに伴い、児相の対応もさらに増える可能性がある。

 「行列のできる児童相談所」の著者で、「西日本こども研修センターあかし」(明石市)の研修企画専門員井上景(たかし)さんは「児相の職員が疲弊する中、体制充実が重要」とした上で、「国も自治体も住民も、人任せにせず社会全体で子どもを守らなければならない」と訴えた。(藤井伸哉)

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