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「別役さんの芝居と言えば舞台にぽつんと電信柱1本、バス停1個。そう思っている人に違うものを見せたいと、セットには力を入れた」と語る岩松了(中央)と、出演する原竹志(右)、木村美憂(左)=ピッコロシアター
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「別役さんの芝居と言えば舞台にぽつんと電信柱1本、バス停1個。そう思っている人に違うものを見せたいと、セットには力を入れた」と語る岩松了(中央)と、出演する原竹志(右)、木村美憂(左)=ピッコロシアター

 日本の不条理劇の第一人者として大きな足跡を残し、今年3月に82歳で亡くなった脚本家の別役実。前代表を務めた兵庫県立ピッコロ劇団に書き下ろした青春群像劇「ホクロのある左足」が10月2~7日、尼崎のピッコロシアターで上演される。演出は現代表の岩松了。出演者らは「見終わって心に残る作品に」と意気込む。(溝田幸弘)

 「僕はそんなに別役さんの本をたくさん読んだわけじゃないし、頻繁に会う関係でもなかった。会ってもたわいのない話話ばかりで。亡くなってから原稿やコメントを頼まれ、改めて読んで…。そういう機会が別にあれば、いろいろ話ができたのにな、って」。岩松はそう言って先輩をしのんだ。

 別役はピッコロ劇団に、紀伊国屋演劇賞団体賞に輝いた「風の中の街」(1995年初演)など11作品を書き下ろし、2003~09年に劇団代表を務めた。後任に、と別役が推したのが岩松だ。

 岩松は89年に不条理劇「蒲団と達磨」で岸田国士戯曲賞を受け、選考委員の別役から激賞されたが、作風は異なると考えている。「別役さんは論理的で、どこか乾いている。僕はどちらかというと感情的に書き、湿気が多い」

 別役作品の演出は初めて。公演は昨年のうちに決まり、「最初は別の作品をやるという話だったけど、別役さんには珍しい青春群像の話でこっちをやりたいと思った」。その報告が別役との最後の会話になったと明かす。

 舞台上には電信柱が1本と、ひしゃげた事故車が1台。夕焼けの中、うさんくさい商売を始めようとする若い男たちのもとに、若い女が集まってくる-。

 初演は98年。鬱屈した若者たちが、「ここではないどこか」を求めてもがく。「いわば横道にそれた若者の群像だけど、社会に反抗するでもなく、不良って感じはしない。なんかかわいらしいんですよ。別役さんの人柄かな」と分析する。

 登場人物は14人と多く、人間関係も入り乱れる。出演する木村美憂は「耳掃除をして、何も聞き逃さず見てください」とにっこり。原竹志も「起承転結がはっきりしなくても心に残る、もう1回見たくなる映画がある。そんな作品にできたら」と力を込める。

 2日午後7時、4日午前11時、午後5時、6、7日午後2時開演。要予約。3日は団体鑑賞、5日休演。3500円ほか。同劇団TEL06・6426・8088

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