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最後部1両分がはみ出して停車する電車。車掌は身を乗り出して乗客の乗り降りを見守る=姫路市大塩町
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最後部1両分がはみ出して停車する電車。車掌は身を乗り出して乗客の乗り降りを見守る=姫路市大塩町
最後部には車掌へ注意を促す「扉カット」の看板が並ぶ=姫路市大塩町
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最後部には車掌へ注意を促す「扉カット」の看板が並ぶ=姫路市大塩町
神戸新聞NEXT
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 兵庫県姫路市と同県高砂市の境界付近にある山陽電鉄大塩駅(姫路市大塩町)で、駅舎の改良工事が進められている。実はこの駅、神戸方面に向かう上りホームは長さが足りず、6両編成の場合は最後部の車両がはみ出して停車。扉の開閉もなく、降車する場合は前方の車両へ移動する必要がある。この「ドアカット」と呼ばれる特殊な取り扱いは全国的にも数少ない“珍景”だが、工事に一定のめどが付く来年度には見納めとなる。(山本 晃)

 山陽電鉄や姫路市によると、駅は1923年に開業した。かつては最長でも4両編成だったが、輸送力強化のため91年春から6両編成の運行が始まった。それに合わせて沿線各駅ではホームを延長するなどの対応工事を行ったが、大塩駅ではある問題が生じた。

 駅は両端を踏切に挟まれている上、構内にもホーム間をつなぐ踏切があるという複雑な構造のため、見直しの余地が乏しい。周辺は古くからの住宅街で新たな土地の買収も難しく、姫路方面の下りホームは限られた用地で何とか6両分の長さを確保したが、上りは5両分が限界で、やむなくドアカットで対応することになった。

 特殊な取り扱いとあって、安全対策も徹底している。ドアの開け間違いを防ぐため、6両編成の車両には最後部のドアだけを閉め切る“大塩専用”のスイッチを整備。さらに、ホームのない最後部に乗る車掌が乗り降りの状況を確認できるよう、線路脇には前方の様子が分かるモニターも設置されている。

 改良工事では、駅舎を線路の上に移すことでホームを延長。ドアカットを解消する。新型コロナウイルスの影響もあり、工事は予定よりも遅れ気味だが、来年度中にはめどが付く見込みという。

 駅前で飲食店を営む女性によると、工事が本格化した今年に入ってからは「写真を撮りに来る人が少し増えたかも」。改良計画に携わった「大塩駅周辺まちづくり協議会」の白矢隆雄会長(72)は「現状ではホームの幅も狭く危険。珍しいようだが改良は必要だ。工事をきっかけに安全でより使いやすい駅になれば」と期待している。

   ◇   ◇

■かつては全国各地で見られた

 「ドアカット」はかつて、全国各地の鉄道で見られた。ホームの両端に踏切やトンネルがあり、長さを確保できなかったのが主な要因だが、近年は駅の高架化など設備改良が進み、都市部を中心に減りつつある。

 東京-神奈川を結ぶ京急電鉄では、梅屋敷駅(東京都大田区)で行っていたドアカットを2012年の高架化を機に解消した。

 県内では山陽電鉄の飾磨駅(姫路市飾磨区清水)で1997年まで、阪神電鉄神戸三宮駅(神戸市中央区)でも2011年まで見られた。しかし、ともに乗降スペースを確保するため、使う線路を替える改良工事を実施し、ドアカットは廃止された。

 同じく阪神電鉄の芦屋駅ではこんな回避策も。快速急行はもともと6両編成だったが、今春から土曜と休日は8両編成となった。そこで、ホームが6両分しかない芦屋駅では快速急行の停車を平日に限定し、週末などは通過させている。

 関西ではほかに、京都・嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵐山駅でもドアカットが行われている。

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