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 兵庫県内の窓口に寄せられた配偶者や恋人らへの「ドメスティックバイオレンス(DV)」の相談件数が2019年度、1万9171件で過去最多を更新した。子どもの面前で配偶者らに暴力を振るう「面前DV」が心理的虐待に当たることへの認識が高まり、こども家庭センター(児童相談所=児相)が対応するケースが増加。県が所管する児相への相談件数は5年前(99件)と比べ20倍超の2068件と急増している。(藤井伸哉)

 児相や県、各市町の関係機関、兵庫県警などが受けた件数を集計。総数は前年度(1万9143件)から28件増でほぼ横ばいだった=グラフ参照。

 県によると、児相への相談急増の背景には、面前DVなどの通報を受けて駆け付けた警察官が被害を確認して児相に通告。その後、被害者が児相に相談する事例が増えているとみられる。

 一方、DVを受けた母子らを預かる「一時保護」の件数は、前年度比9件減の106件。県によると、各自治体の相談窓口が充実し、虐待が深刻化する前に対応できるケースが増えたためという。保護期間は1~79日で、平均は16・5日だった。

 県は相談窓口の体制充実や被害者への支援強化、専門的に対応する人材育成を図っている。担当者は「DVと気づかない人もいる。少しでもおかしいと思ったら、事態が深刻化する前に相談してほしい」と話した。県女性家庭センターTEL078・732・7700(午前9時~午後9時)

■DV被害者の自立支援強化 県、民間シェルターに専従職員■

 ドメスティックバイオレンス(DV)に遭った被害者の自立支援を強化するため、兵庫県は、民間シェルターなどの一時避難先に、心のケアや生活サポートを担う専従スタッフの配置を進めている。

 県内で2019年度に寄せられたDV相談件数は、1万9171件と過去最多だった。子どもがDVを目の前で見せられる心理的虐待や、恋人による「デートDV」のほか、暴言、無視、生活費を渡さないといった精神的な嫌がらせなどケースは多様化している。

 県は、被害女性やその子どもを一時保護する民間シェルターに、臨床心理士や公認心理士らを配置した。ほかに、支援員の付き添いの下で暮らして心身の回復を図る施設「ステップハウス」の運営も始めている。

 併せて、医療や法律の専門家による相談会も定期開催。相談会は週1回のペースで開き、弁護士、産婦人科医、精神科医らが対応している。県児童課は「心身の安全を保ちながら、就労や社会参加につなげたい」とする。(佐藤健介)

 

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