兵庫県クレー射撃協会(神戸市須磨区)が、国民体育大会の強化費として、2014年から4年間に交付された県の補助金の一部、約90万円を不適正に使っていたことが8日、県体育協会などへの取材で明らかになった。県クレー射撃協会は同日までに全額を返還した。
県体育協会によると、県は2014~17年度に、国体に出場する候補選手が練習で使う会場費や合宿費などとして、県クレー射撃協会に計320万9千円を支給していた。
しかし19年10月、一部の選手から「練習費用などの補助金が選手に渡っていない」との内部告発があり、県体育協会が帳簿や通帳を確認するなどして補助金の使い方を調査。89万2969円分が補助の対象となる事業に使ったと確認できなかったため、今年9月末にこの89万円余りを返還するよう命じた。
聞き取り調査に対し、当時のクレー射撃協会の会長は「補助対象外とは知らず、私的流用はしていない」と話したという。
一方、クレー射撃協会の関係者によると、練習費用などを選手に負担させ、浮いたお金で当時の幹部たちが飲食代として使っていたという。当時の会長を含め執行役員全員は昨年7月に刷新された。難波克哲・現会長(57)は「新しい執行部で会計を透明化していきたい」としている。
