兵庫県西宮市武庫川町の障害者支援施設「西宮すなご医療福祉センター」の元職員の男（３２）＝尼崎市＝が１３日に傷害と暴行の疑いで逮捕されたことを受け、同センターは同日、会見を開き、「職員の問題点に気付ける職場風土が築き上げられなかった」と謝罪した。

　逮捕容疑は、７月８～９日、重度の障害がある入所者の男性（５３）の脇腹を蹴り、腹部に座って圧迫するなどの暴行を加え、１１日には男性の手をつかんで顔を床に打ち付け、右目周辺にけがを負わせた疑い。

　室内のカメラには今年６月以降、容疑者がほかの入所者計９人に暴行を加えた映像が残っており、そのほとんどが夜勤帯だったという。現在は入所者の介助を極力２人に増やして対応している。

　施設を運営する社会福祉法人甲山福祉センターの服部英司理事長（６４）は「本人へ適切な指導ができなかったのは組織の問題」と説明。今後は内部の改善計画チームが相談体制の充実や研修など再発防止策を検討し、１１月末までに市に報告するという。また９月末には、外部の識者らでつくる第三者委員会も設置した。調査を踏まえ、提言をまとめる。（風斗雅博）