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初出版した詩集「弱いはつよい」について語る村上有香さん(右)と母の喜美子さん=神戸市西区
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初出版した詩集「弱いはつよい」について語る村上有香さん(右)と母の喜美子さん=神戸市西区
村上さんの手書きの詩
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村上さんの手書きの詩
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村上さんの手書きの詩

 小学4年からオリジナルの詩を書きためてきたダウン症の村上有香さん(20)=神戸市西区=が、初の詩集「弱いはつよい」(風鳴舎)を出版した。詩を書く時は、「楽しさのメロディーが聞こえてくる」という独特の感性でつづった66編。大好きな家族や友人のこと、エネルギーあふれる日常など、約10年にわたる歩みが詰まっている。(中島摩子)

 小学校低学年の頃の有香さんは、左右に揺れるろうそくの炎を見て「けんかしてる!」。トイレから出てきて「カブトムシみたいに水が流れた!」-。母の喜美子さん(58)は「私の感覚とは違う世界がある」と感じていた。ただ、有香さんが日記を書く時は「出来事を羅列するだけで、思いを表現することはなかった」という。

 有香さんが小学4年の時、喜美子さんはテレビ番組で、ある小学校の先生が、子どもに文章を書かせる際のこつとして「身近なものをお題として与えてみて」などと話すのを聞いた。早速、ピアノ教室の先生が飼っているイヌについて有香さんに聞くと、「やさしいから たまにはほえる ワンワンワンワンワン」などと言葉があふれてきた。「日記とは別人。生涯忘れられない日になった」と喜美子さんは振り返る。

 以降、「有香がぱーっとしゃべるものを、私が虫捕り網で全部捕るみたいに」メモし、それを有香さんが清書するというスタイルで、約200編の詩を生み出してきたという。

 障害がある人がつづった詩を展示する「NHKハート展」に応募を重ね、青陽須磨支援学校(神戸市須磨区)中学部2年時の作品「お風呂を広くした」などで計6回入選。同校高等部時代の作品では「制服がアイスクリームのように溶けるような暑さだった 口から湯気がでそう」「私はややこしいティーンエイジャーです」など、若い感性とユーモアが光る表現が目を引く。

 「詩を書くのが私の特技」と話す有香さんは現在、高齢者施設で非常勤職員として働きながら創作活動に取り組み、「世界中のみんなを笑顔にするのが私のできること」。

 喜美子さんは「普通に喜怒哀楽があり、普通に悩んで、普通の人間だと知ってもらいたい」と話し、障害者への差別や事件が起きる中で「みんなが違いを認め合う寛容な世界になってほしい」と願う。

 有香さんが詩集をPRする動画を公開中。https://youtu.be/guiiDWk8Suk

 四六判、120ページ。1760円(税込み)。風鳴舎TEL03・5963・5266

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