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吹雪の中でハル(川北のん)が瞽女唄を稽古する場面は圧巻だ(©2020映画「瞽女GOZE」製作委員会)
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吹雪の中でハル(川北のん)が瞽女唄を稽古する場面は圧巻だ(©2020映画「瞽女GOZE」製作委員会)
親方サワ(中央、小林綾子)は、ハル(右、吉本実憂)に瞽女として前向きな生き方を伝える(©2020映画「瞽女GOZE」製作委員会)
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親方サワ(中央、小林綾子)は、ハル(右、吉本実憂)に瞽女として前向きな生き方を伝える(©2020映画「瞽女GOZE」製作委員会)
全編方言など難役を演じきった川北のん(©2020映画「瞽女GOZE」製作委員会)
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全編方言など難役を演じきった川北のん(©2020映画「瞽女GOZE」製作委員会)
目を閉じた状態で三味線の弾き語りを熱演する吉本実憂(©2020映画「瞽女GOZE」製作委員会)
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目を閉じた状態で三味線の弾き語りを熱演する吉本実憂(©2020映画「瞽女GOZE」製作委員会)

 瞽女-。三味線を奏で、語り物を歌いながら各地を旅する盲目の女芸人のことだ。江戸時代から昭和まで、新潟をはじめ各地で活躍した。「瞽女GOZE」は最後の瞽女と呼ばれ、2005年に105歳で亡くなった新潟出身の故・小林ハルの生涯を描く。子役を川北のん、成人してからは吉本実憂が盲目の難役を務める。一挙手一投足に至るまでを表現した熱演が見どころだ。(津谷治英)

■川北が成長した姿

 吹雪の川沿いで、少女時代のハルが瞽女唄の稽古に励む。川北は、はだしにわらじだけ。厳寒の中、懸命に声を出し続ける姿を演じた。全編方言のセリフで展開するが、その口調も違和感なく堂々とこなした。

 11歳ながら、既に劇歴7年。「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016年)などで話題となったが、着実に成長した姿をアピールした。

 今回は目を閉じた状態で三味線を弾いたり、雪の中を歩いたりと、初めての経験ばかり。「セットの部屋の間取りとか周囲の感覚が分からず怖かった。障害者の方の困難さが分かりました」と振り返る。

 台本を受け取った時は「実在した方のお話なので責任を感じた。方言も勉強し、とにかく演じ切りたい」と撮影に臨んだ。歴史が好きで、「時代劇をやりたいと思っていた。今回はいろいろ勉強できました」と満足そうだった。

■心の底にある力

 物語はハルの苦労を軸に展開する。母親トメ(中島ひろ子)は義父のつてもあり、娘を瞽女にすることを決意。一人で生きていく術を身につけさせようと、母親の愛を捨て、鬼となってしつける。最初の親方(師匠)や先輩の執拗ないじめは目を覆いたくなる。男性とのつきあいを禁じられるなど、差別された歩みも感じさせる。

 半面、幸福に出会う場面が際立つ。ハルを迎える村人の温かさ、生き方を諭す2人目の親方サワ(小林綾子)との出会い。満開の花を前に、サワはこう話す。

 〈おれたちにこの花は見えねえ。でも神様は花に匂いをさずけてくださった。その香りで花を知り、季節を知り、美しさを想像することができる〉

 前向きに生きる瞽女の心底にある力を感じる。障害者の健気な生き方に通じるメッセージだ。

■瞽女の存在、現代に

 瞽女は旅先の村々で人々を癒やし、他の土地の話を伝え歩く貴重な存在だった。時代の流れで姿を消し、歴史の教科書にも記述されていない。本作はその存在を今に伝える。

 語り部はベテランの奈良岡朋子。「はなれ瞽女おりん」(1977年。監督篠田正浩、岩下志麻主演)に出演している。職業女性・瞽女をよく理解する女優の解説も本作を支えている。

◇1時間51分。23日から神戸国際松竹で公開。

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