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次男が自宅に戻り、家族4人そろってだんらんの時間を過ごす。一方で両親は「子どもを連れて行かれた恐怖心が今も消えない」=明石市内
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次男が自宅に戻り、家族4人そろってだんらんの時間を過ごす。一方で両親は「子どもを連れて行かれた恐怖心が今も消えない」=明石市内
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 「家族のかけがえのない時間を返して」。児童相談所が虐待を疑って当時2カ月だった次男を一時保護し、家裁による審判が結審するまでの1年3カ月、離れ離れに暮らすことを余儀なくされた兵庫県明石市の夫婦はそう訴えた。初めての離乳食やお正月、1歳の誕生日はすべて乳児院の中で迎えた次男。施設で撮影された写真を前に、母親は「一体、誰のための保護だったのか」と憤る。

 次男は、明石市の母親(40代)と父親(50代)、3歳上の長男の4人家族。2018年8月、買い物のため次男を実家に預けた際、実家の母が「右腕が腫れてる」と指摘した。病院に連れて行くと、検査で右腕の骨折が分かった。母親は原因が思い当たらず「長男がずっとかまっていたからかも」と説明した。

 児相に呼び出され、骨折の理由を何度も聞かれた末に「子どもを一時保護した」と告げられた。その後、病院に行く前日に次男を抱きかかえた状態でベビーベッドにぶつかったことを思い出した。自分の体とベッド柵の間に次男の腕が挟まれた状態になったと何度も説明した。児相は「話が変遷している」と聞き入れなかった。

 約3週間後、夫婦で児相に行くと、職員に「子どもの長期入所を認めますか。センターとしての方針です」と迫られた。認められないと答えたが、その後、児相が家庭裁判所に次男の施設入所を求める審判を申し立てたことを弁護士を通じて知った。

 一時保護の間、次男と会えるのは月1、2回で、それも1時間程度。立ち会う児相の職員と都合が合わず、会えないこともあった。検診も面会にカウントされ、親子4人でのだんらんの機会も制限された。おむつ交換でトイレに行っても監視され「犯罪者のように扱われた」(母親)という。

 19年8月、家裁が「虐待とは認められない」として児相の申し立てを却下。その3カ月後に大阪高裁も抗告を棄却した。家族が再び一緒に暮らせるまで保護から1年3カ月が過ぎていた。

 次男が自宅に戻り、母親を「ママ」と呼ぶまでに3カ月かかった。今でも施設時代の写真で職員を指さし「ママ」「パパ」と呼ぶこともある。一緒に暮らせる幸せをかみしめながらも、「戻ってきても、離れて暮らした影響が長男や次男にいつか出てくるのではと不安が尽きない」。夫婦は「二度と同じような思いをする人が出ないようにしてほしい」と力を込める。(小西隆久)

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