兵庫県明石市は19日、同市林2のサービス付き高齢者向け住宅「シルバーハウスはやしの南」で、女性職員による入居者への虐待行為があったと発表した。会見した泉房穂市長らとの主なやりとりは次の通り。
-職員の年齢、現在の処遇は。
市長 職員は女性で、年齢などの詳細は確認できてない。自主的かどうかは不明だが退職届が出された。私も17日に施設で虐待を受けた男性に会ったが、認知症なので今回のことについて発言できる状況にない。
-暴行はいつあったか。
谷野智彦政策法務担当課長 警察の捜査が進んでいるので詳細は言えない。事案があったのは9月中。
-暴行行為が映っていた防犯カメラは。
市長 施設が(女性職員が)疑わしいということで、被害があった男性の部屋に設置していた。施設の管理者がまず映像を確認して虐待を把握し、それから市に連絡した。
-発覚からきょうまで、市が計3回調査している。
市長 施設関係者や女性職員に聞き取りをした。10月14日に市職員が暴行の映像を確認し、重大案件として認識した。
-職員の女性には事情を聴いたのか。
谷野 市の職員が直接、女性職員に確認したところ、虐待は認めている。詳細は捜査の関係で言えないが、こちらの主張と全く異なっているわけではない。
市長 暴行をしたことは認めている。暴行の内容や程度については、映像中の行為と本人が認めている範囲がずれている。
-男性のけがの程度は。
市長 現在のところ、病院に行くようなけがではない。殴る蹴る、たたく、踏みつけるの行為は映像で確認できたが、その時の傷が男性に残っているかどうかは分からない。捜査の関係もあり、現段階では言えない。
-被害者は80代の男性1人だけか。
谷野 ほかに被害者がいるかどうかは、これからしっかり確認していく。
-加害者は女性職員だけか。
市長 映像を見て被害を確認した状況などで、現時点では組織的に複数人でやったということではないとの認識。調査チームで施設の対応や被害の状況、ほかに被害者がいるのかなども確認していく。
-調査チームの今後の予定は。
市長 今日から既に動いており、市として施設への行政指導もあり得る。市内全域の福祉施設に何らかの対応を求めていくことも想定している。
-暴行があったとされる午後8時ごろから翌午前4時ごろまでの間、勤務していた職員の人数は。
谷野 この日、見守りしていたのは女性職員だけ。
市長 施設の管理体制に問題がある。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の共通の課題だ。自立した高齢者の入居を前提としている施設に、認知症の要介護4の人が生活している。見守る職員にしても、福祉関係の事業者に委託してサービスを提供しており、福祉の専門家が1人しかいない。職員の人員態勢が十分かどうかも調査する。
-女性はどこの職員か。
市長 サ高住の事業を行うのは市内の法人。高齢者向けのサービスは神戸市内の有限会社に委託し、女性職員はこの会社の職員だ。
(まとめ・長沢伸一)











