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部活動中に男子生徒2人に柔道技をかけてけがを負わせたとして傷害容疑で教諭が逮捕された宝塚市立長尾中学校の体育館=宝塚市長尾町
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部活動中に男子生徒2人に柔道技をかけてけがを負わせたとして傷害容疑で教諭が逮捕された宝塚市立長尾中学校の体育館=宝塚市長尾町

 兵庫県宝塚市立長尾中学校の柔道部顧問が男子生徒2人に重軽傷を負わせた傷害事件は19日、顧問の男(50)が逮捕されて1週間となった。学校や市教育委員会はこれまでに体罰で3回処分しながら、結果的に止められず、警察による異例の対応となった。市教委は部活動外の体罰でも懲戒処分された教員は一切の部活動で指導をさせないという独自の対応を検討する方針を示したが、再発防止につながるかどうかは依然不透明だ。(大盛周平、村上貴浩)

 9月25日午後4時半ごろ、同校体育館2階の武道場。柔道部OBが差し入れたアイスキャンディーが前日になくなり、男は1年生2人が食べたことを認めると、稽古と称して暴力を振るい始めた。

 2人は柔道初心者で、背骨が折れた部員には10回以上の投げ技をかけ、絞め技で失神させた。さらに馬乗りになって平手打ちで目覚めさせたという。

 その後、部員は逃げようとするも寝技をかけられ、技がとけると武道場を脱出。続いて仮入部中のもう1人は柵を握って抵抗したが、引き離されて寝技をかけられ軽傷を負った。

 午後5時すぎ、出ていった部員を複数の教員で捜し、自宅に電話すると保護者に「帰宅後に震えて様子がおかしい」と告げられた。男と40代の男性副顧問は学校側の聞き取りに当初「きつめの指導」と答えたが、保護者の報告を受けて体罰と認めたという。

     ◇

 男は16年から長尾中に赴任。「細やかな指導で生徒の心を支えている」(校長)、「『いい先生だった』と多くの卒業生から聞く」(市教委)と評価されつつも、別の中学校にいた13年に体罰で3回の懲戒・訓告処分を受けていた。

 ただ、兵庫県教委は当時、部活動中の体罰で懲戒処分された場合は「当該の部活動から外す」と定めていたが、男は生徒指導中だったとして顧問を継続。19年に規定が「一切の部活動をさせない」という趣旨に見直されても指導を続けていた。

 中川智子市長は19日の会見で「(状況を問わず)体罰を繰り返した教員を顧問にしていたこと自体が問題だった」と説明。市教委は部活動外の体罰にも厳しい対応を取る意向を示し、全小中学校に体罰の実態調査をすると明かした。

 研修などの成果も検証されていなかった。男は「(過去に)アンガーマネジメントを受けた」と証言したが記録はなく、今年8月には市教委が開いた生徒指導担当者向けの研修会を受講したばかりだった。

     ◇

 市教委によると事件の約1週間後、暴力を受けた生徒2人の家を担当者が訪ね、「体罰は犯罪。警察に被害届も出してください」と保護者に伝えていた。

 「悪質性が高く、純然たる傷害事件と判断した」と捜査幹部。12日、学校は全校保護者向けの説明会を開催。謝罪した男が会場から出てきた際、県警宝塚署員が同行を求めたという。県教委によると、県教委が任命した教員が部活動中の体罰で逮捕されたのは過去10年間で初めてという。

 県内では昨年、市立尼崎高校の男子バレーボール部員が男性コーチに顔をたたかれて一時意識を失う問題があり、硬式野球部でも体罰が発覚。宝塚市でも今年6月、市立中学校の女子生徒が部活動中の厳しい指導で精神的に追い詰められ、校舎から転落して重傷を負ったとして、男性顧問が停職処分を受けている。

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■全柔連調査へ

 全日本柔道連盟(全柔連)の中里壮也専務理事は19日、オンラインで報道陣の取材に応じ、宝塚市立長尾中柔道部の傷害事件について、全柔連のコンプライアンス委員会が調査に乗り出す方向性を示した。懲戒処分を含めて検討する。

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