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手彫り薩摩切子青緑色被せガラス蓋物(神戸市立博物館蔵、びいどろ史料庫コレクション)
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手彫り薩摩切子青緑色被せガラス蓋物(神戸市立博物館蔵、びいどろ史料庫コレクション)
青色・黄色鶴首ガラス徳利(神戸市立博物館蔵、びいどろ史料庫コレクション)
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青色・黄色鶴首ガラス徳利(神戸市立博物館蔵、びいどろ史料庫コレクション)

 江戸から明治期にかけての日本製ガラスは、現代のものと比べ、耐久性や透明性は劣るものの、素朴さと柔らかさがある。「びいどろ」「ぎやまん」と呼ばれた当時のガラスの魅力を伝える特別展「和のガラス-くらしを彩ったびいどろ、ぎやまん」が神戸市立博物館(神戸市中央区)で開かれている。

 日本では、遅くとも弥生時代にはガラスを加工する技術が大陸から伝わり、勾玉などの装飾品が作られてきたが、ガラス玉程度の大きさにとどまっていた。1543年、ポルトガル船が種子島に漂着したことを契機に、ヨーロッパ製のガラス器が日本にもたらされ、17世紀から国内でも本格的な製造が始まった。

 当初は製法に関する情報が限られ、職人たちは試行錯誤を重ねた。「製法が発達する過程も楽しんでほしい」と学芸員の中山創太さん。例えば1対2本で展示している「青色・黄色鶴首ガラス徳利」(1711~81年)。息を吹き込み、胴部を愛らしく膨らませることに成功、触れると割れそうなほど薄く、繊細な風合いに。実は冷却する際、ひび割れを生じさせないようにする技術が未発達で、厚いガラスを製造できなかったことから生まれた。

 それから約100年を経て作られた「手彫り薩摩切子青緑色被せガラス蓋物」(1951~58年)は、透明ガラスの上に青緑色のガラスをかぶせ、グラデーションを楽しめるように研磨を施した。中山さんによると、ガラスが厚いほどグラデーションの効果が大きくなるといい、ひび割れしない冷却技術の発達が表現の幅を広げたことが分かる。青緑色のガラスに施された「魚子文」と呼ばれる粒模様とあいまって美しい。

 現代と比べて格段に貴重だったガラス。鳥かごの格子や琴柱にガラスが使われていることからも、装飾品として重宝されていたことが分かる。中山さんは「大名クラスが贈答し合っていた薩摩切子から市井の人々が使ったかもしれない金魚玉まで、さまざまな姿のガラスを楽しんでほしい」と話している。

 初公開の約40件を含む約160件を展示。11月23日まで、月曜休館(最終日は開館)。午前10時~午後6時(金曜は午後8時、土曜は同9時まで)。一般千円、高校生以下無料。同館TEL078・391・0035

(井原尚基)

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