新型コロナウイルスの対応に当たる神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)に、匿名で500万円の寄付があった。二つの封筒に入れられて宅配便で届き、病院側は防護具などに使うという。
同病院によると、今月5日、病院移転前の住所で「総合内科」宛ての厚紙封筒が届いた。送り主は女性の名前が漢字で書かれており、神戸市北区の住所で番地まであったため、同科に照会。しかし、受診履歴にはなく、中身の見当も付かなかった。病院は封を開けずに同日中に返送したが、9日に宛先不明で返ってきた。
封筒を開けてみると、300万円と200万円が入った茶封筒が二つ。便せんには3行ほどの文面に「役立てください」「匿名希望」と書かれてあった。病院は弁護士と相談し、寄付金と判断。小児科の医師の研究や、コロナ対応の防護具などに使う。
同病院は寄付金総額と件数を公表していないが、感染が急拡大した4月ごろから増え、20日現在、前年と比べて件数で15倍、金額で8倍という。(霍見真一郎)