兵庫県指定文化財で、日本民俗学の父・柳田国男が少年期に本を読みふけった逸話が残る「大庄屋三木家住宅」(同県福崎町)を改装したホテルが開業するのに先立ち、27日、報道関係者向けの内覧会が開かれた。約300年前の建物の趣を生かしながら、豊富な本をそろえた客室を公開。都道府県指定文化財をホテルとして活用するのは全国初で、11月1日にオープンする。
「NIPPONIA(ニッポニア)播磨福崎 蔵書の館」。神戸新聞グループのまちづくり会社「PAGE(ペイジ)」(福崎町)が離れや蔵など6棟と隣接する大正建築の旧郵便局舎を改修し、小規模挙式を手掛ける「レック」(神戸市中央区)が運営する。
内覧会にはテレビや雑誌、ウェブメディアの16社約20人が訪れた。三木家の客室は全5室で、各部屋には自然や建築、食、妖怪など多分野の良書が100冊ほど並ぶ。ゆったりと過ごせるよう、時計やテレビは置かない。柳田が11歳のときに蔵書を読みふけったとされる離れは、スイートルームとして最大6人が泊まれる。
1泊2食付きで大人1人当たり税別2万円から。同ホテルTEL0120・293・958
(井上太郎)