兵庫県豊岡市の城崎温泉の外湯の一つ「御所の湯」が、全面露天で周囲に植栽をほどこした趣のある「庭園風呂」に改修され、2日、リニューアルオープンした。
御所の湯は市と地元住民らでつくる城崎町湯島財産区が運営する。昨年8月に天井の腐食により部材が崩落し、休館していた。
改修では屋根を撤去し、「束立て小屋組」と言われる工法でひさし部分を設置。洗い場は寒さ対策のために屋内スペースのままで、ガラス扉で仕切られている。総事業費は約1億800万円。
風呂の周囲には但馬の山々をイメージし、西側浴室には但馬の自生種であるキンキマメザクラ、東側には田道間守が海の向こうから持ち帰ったとされるタチバナの木が植えられている。風呂の奥にある名物の人工の滝もそのまま残され、紅葉が少し色づき始めている。
式典で中貝宗治市長は「コロナ禍で大きな打撃を受けたが、城崎温泉の魅力をさらに高めてくれると信じている」とあいさつし、テープカットが行われた。
(石川 翠)