兵庫県中央こども家庭センター(明石市)が虐待を疑って一時保護した乳児が1年3カ月間、家族と引き離された問題を受け、明石市が設置した第三者委員会の初会合が2日あった。委員6人は、児童相談所による保護の妥当性などを外部の目で点検する制度の創設を目指す考えで一致した。
元裁判官や元児相所長、弁護士らで構成。来年3月末までに児相の対応を検証し、改善策をまとめる。
市は、子どもを一時保護後、早期に第三者の意見を求める制度案を提示。保護中の面会も「従来は明確なルールがなく、職員の感覚に頼っていた」として新たな基準づくりを要請した。
委員は「ルール化だけでなく、職員の意識や体制の改善も必要」などと強調。12月開催予定の次回会合では両親が意見を述べる。
市によると、2018年8月、市内の乳児が右腕を骨折し、虐待と判断した児相が一時保護し、家庭裁判所に親子分離を申し立てた。家裁は19年8月に却下。児相を新設し、県から事案を引き継いだ明石市の即時抗告も退けられた。一連の対応について泉房穂市長は今年9月、両親に謝罪。第三者委員会による検証を約束していた。(小西隆久)