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専用のカートで買い物を楽しむ高齢者=宝塚市小林5、イズミヤ小林店
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専用のカートで買い物を楽しむ高齢者=宝塚市小林5、イズミヤ小林店
神戸新聞NEXT
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 買い物を通じて高齢者の介護予防を目指す「買い物リハビリ」が広がっている。兵庫県宝塚市の商業施設では先月から、要支援者の買い物を支援するサービスが始まった。高齢者が動かしやすい専用のカートを使って店内を歩き回り、支払い計算もすることで、体も頭も使う。店側も固定客の確保につながるといい、幅広い効果が期待されている。(井川朋宏)

 平日の朝、宝塚市のスーパー「イズミヤ小林店」。自宅から車で送迎された高齢の男女2人が訪れた。

 両腕を乗せ、体重を預けて歩けるカートで、まずフロアを1周。生鮮食品売り場へ向かうと、それぞれ総菜類や果物、デザートなどを選んで買い込んでいく。スタッフが後ろからついて見守る中、レジで精算を済ませた。この日の歩数計を確かめると、約千歩。多い時は1時間弱で約1キロを歩き、2千歩程度に上るという。

 女性(86)=宝塚市=は「普段は人としゃべらないけれど、(スタッフが)気持ちを分かってくれる。買い物はあまりしなくて運動も難しいので、続けて来たい」と穏やかに語った。

 島根県雲南市の「ショッピングリハビリカンパニー」の取り組み。宝塚市は国内8店舗目で、関西地方では初進出だ。同社によると、病院でリハビリをする高齢者から、買い物を望む声を聞いたことがきっかけになったという。

 カートを独自に開発。スーパーなどと連携し、店内に場所を借りて拠点を設け、サービスを行っている。島根大学などの研究によると、買い物をしたお年寄りに、運動機能や認知機能の向上、閉じこもりの改善が見られたという。

 また、商業施設に恵まれている都市部では、「買い物難民」への公的支援が乏しく、高齢者が引きこもる傾向もあるという。

 受け入れる商業施設にとっても、自力で訪れにくい高齢者が固定客となることで売り上げ増が期待される。コープデイズ神戸西(神戸市西区)でもこのカートが導入され、買い物をしながら歩行訓練をする取り組みが始まっている。

 同カンパニー創業者の杉村卓哉さん(40)は「高齢者が『頑張って』と言われるリハビリではなく、楽しんで続けることができれば」と語った。

 介護保険事業で1割負担の場合、要支援1は月額1768円(週1回)、要支援2は3624円(同2回)。イズミヤ小林店内の拠点・ひかりサロン宝塚小林TEL0797・72・5310(午前10時~午後5時、土日休み)

■要介護認定者674万人 社会保障費抑制模索続く

 団塊世代が全員75歳以上となる2025年に向け、高齢者の自立支援は重要度を増している。要介護(要支援)認定者が増え、社会保障費は膨らむ一方。介護保険の総費用は今や年10兆円を超え、費用抑制が課題となっている。

 00年から始まった介護保険制度。厚生労働省によると、要介護(要支援)認定者は、制度当初の約3倍の674万人(今年8月時点)に上った。同保険の総費用も年々増え、19年度は11兆7千億円(予算ベース)で当初の3倍以上となった。

 65歳以上が支払う毎月の介護保険料(全国平均)も、00年度の2911円から現在5869円と倍増。一方、要支援1、2の人の訪問、通所介護は介護保険から切り離されるなど、サービスは縮小している。

 こうした状況の中、介護予防の手だては急務だ。厚生労働省は、身近な施設で体を動かしたり、交流したりする「通いの場」の普及を強調し、「住民主体で、専門職など多様な関係者や事業者と連携することが必要」としている。

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