兵庫県内では5日、新たに43人の新型コロナウイルス感染が確認され、過去1週間の新規感染者が1日平均で29・1人となった。南あわじ市の介護老人保健施設でクラスター(感染者集団)が発生するなどし、県独自の警戒レベルが2番目に高い「拡大期1」(1日平均30人以上)に迫っている。感染増加を受け県は同日、対策本部会議を開き、運用病床数の拡大を決めた。
県内では9月1日以降、上から4番目の「警戒期」(10人以上)が2カ月近く続いた。しかし、10月下旬に寮や病院などでクラスターが発生し、10月28~30日と11月3日以降は「増加期」(20人以上)で推移。11月6日に26人以上の新規感染者が判明すれば、8月25日以来2カ月ぶりに「拡大期1」に入ることになる。
対策本部会議では、運用病床数を現在の300床(うち重症者用50床)から、400床(同70床)に引き上げると決めた。インフルエンザとの同時流行に備えかかりつけ医らが発熱患者の診察などを担う「診療・検査医療機関」は、114施設を追加指定。PCR検査は1日最大2550件に増やす。
会議後の会見で井戸敏三知事は、「現時点でそういう状況にないが、クラスターから感染が広がると際限がない」と危機感を示し、県民や医療従事者らに感染防止策の徹底を改めて呼び掛けた。(藤井伸哉)
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