米大統領選でバイデン前副大統領の勝利が確実になったことを受け、北朝鮮による拉致被害者有本恵子さん=失踪当時(23)=の父明弘さん(92)は9日、神戸市長田区の自宅で取材に応じ、「拉致問題の解決がまた遠のいてしまうのでは」と落胆を隠さなかった。
明弘さんは昨年5月、トランプ大統領が来日した際に、拉致被害者の家族として東京で面会。政府を通じて問題解決を求める手紙を渡すと、その後、トランプ氏から「あなたはきっと勝利する」といった内容の返事が届いたという。
明弘さんは「こちらの訴えを受け止め、強い姿勢で北朝鮮や中国に向き合ってくれた。トランプ大統領なら状況が変わると希望を持っていた」と振り返った。
3日以降は、テレビや新聞で開票の行方をチェックしながらトランプ氏の逆転劇を期待していたという。バイデン氏について「トランプ大統領ほど期待できない。生きているうちに娘に会いたいので、拉致問題を後回しにしないでほしい」と求めた。(末永陽子)











