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兵庫県内の民家付近に出没したツキノワグマ(資料写真)
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兵庫県内の民家付近に出没したツキノワグマ(資料写真)
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 15日に解禁される今季の野生鳥獣の狩猟のうち、クマ猟を兵庫県が禁止する方針を決めたことが分かった。県内のツキノワグマの最新推定生息数(2019年初時点)が722頭と、県の狩猟解禁基準(800頭以上)を下回ったためで、クマ禁猟は5年ぶり。だが11日には同県佐用町で女性が襲われる事案も起き、県は「冬眠前の12月中旬までは特に(出没に)注意してほしい」とも呼び掛ける。(山路 進)

 県内のクマ推定数は、1990年代に100頭以下と絶滅も危惧されたが、96年から禁猟して徐々に回復。これに伴い、目撃やふんの発見などの出没情報と人身被害も増えた。

 県は16年、当時の推定生息頭数が安定的な繁殖に必要な800頭を超えたとして、20年ぶりにクマ猟を解禁した。17年には被害防止と保護を両立するため、クマと人の区域を明確化する管理計画を策定。絶滅の恐れが出る400頭以上の維持を念頭に、推定800頭以上で狩猟を解禁することにした。

 さらに、人身被害を引き起こしたり、集落周辺に出没したりしたクマを殺処分する有害捕獲も強化。年間の駆除数に上限を設けて、わなの設置基準を緩めたところ、19年の駆除数は116頭に上った。推定生息数の減少を受け、20年度の駆除上限数は57頭(19年度は124頭)に抑制。10月までに40頭が駆除された。

 県森林動物研究センター(丹波市)によると、20年度はクマが食べる山のドングリ類は凶作。それでも4~10月の出没情報は391件(前年同期比37%減)と09年度以降で3番目に少なかった。人身被害は4月に香美町の男性(87)が軽傷を負ったのが最後で、対策の効果とみられてきた。しかし11日午前、佐用町で散歩中の女性(69)がクマに腕や顔をかまれ、骨折するなどの重傷を負った。

 同センターの男性(52)は「冬眠前のクマは夕方から朝に餌を求めて回る。朝晩は山に近づかず、屋外にごみを放置しない、鈴やラジオを携行するなどの基本を守ってほしい」とする。

 

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