総合 総合 sougou

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 老人ホームなど高齢者向け養介護施設で虐待が増え続けている。最新の2018年度統計によると、全国で虐待の通報が2187件あり、10年前の08年度と比べると4・8倍、兵庫県では10・4倍の135件に達している。実際に虐待と認定されたのは全国621件、兵庫24件。8割が被害を訴えることができない認知症高齢者で、専門家は「明るみに出ている虐待はごく一部」と指摘する。

 虐待認定件数も10年前と比べ、全国で8・9倍、兵庫で6倍と大幅に増加していた。

 兵庫県によると、18年度の虐待24件のうち、高齢者に認知症の症状があったのは19件。うち9件は着替えや食事、排尿などが一人でできないなど、日常的に介護を必要とする状態だった。7件は日常生活では自立している状態で、残りの3件は、認知症の具体的な症状は分かっていない。

 虐待を類型別に見ると、暴力を振るうなど身体的虐待が13件と最多。精神的に苦痛を与える心理的虐待が7件、必要な介護をしないネグレクト(介護放棄)と、本人の同意なしに金銭を使ったりする経済的虐待が3件、性的虐待は1件だった(一部重複あり)。

 今年も明石市のサービス付き高齢者向け住宅で認知症の男性(88)が女性職員から殴る蹴るの暴力を受けたとされるほか、2018年に姫路市内の有料老人ホームで女性(93)が濡れたバスタオルで殴られるなどして負傷していたことが判明。神戸市灘区の特別養護老人ホームでは入所者を1~2週間に1回しか入浴させないなど、不適切なケアが発覚している。(井上 駿)

 県内で18年度に発生した虐待事案の市町別件数は次の通り。

 神戸市=13件▽芦屋市=3件▽西宮市=2件▽加古川市、西脇市、宝塚市、三田市、南あわじ市、上郡町=各1件

【現場は専門人材不足 神戸学院大の水上然(つづる)准教授(高齢者福祉)の話】 介護・福祉業界を目指す学生の減少が続いており、現場に専門教育を受けた人材が不足し、高齢者虐待への認識が不十分な面がある。心理的虐待やネグレクトは証拠が残りにくく、認定が難しい構造がある一方、市町は施設側へ懲罰的措置を取る場合もあるので、認定が慎重になりがちだ。虐待に関する相談や通報があった時点で、施設内ではすでに不適切なケアが行われている可能性も高く、施設のケアの立て直し支援につなげる環境づくりが必要だ。

総合の最新
もっと見る

天気(12月6日)

  • 14℃
  • 7℃
  • 0%

  • 14℃
  • 3℃
  • 10%

  • 15℃
  • 6℃
  • 0%

  • 16℃
  • 4℃
  • 0%

お知らせ