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甲斐朋香さん
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甲斐朋香さん

 新型コロナウイルス感染者や医療関係者らへの差別、偏見をなくすことを目指し、全国に広がっている「シトラスリボンプロジェクト」。活動を始めた市民グループ「ちょびっと19+」共同代表の甲斐朋香さん(50)=松山大准教授=に思いを聞いた。(聞き手・斉藤正志)

 -プロジェクトを始めたきっかけは。

 「3月に愛媛県内で初めて感染者が確認され、個人を特定しようとしたり、SNS(会員制交流サイト)でその人の行動を批判したりする動きがあった。回復しても、元の生活に戻りづらい空気があった。冷たい目で見られていると感じている人が、何らかの形で、安心できる目印を作れないかと考えた」

 -少人数から始まった。

 「3月下旬に知り合いに声を掛けて、会社経営者やフリーライターら6人で考え始めた。愛媛発ということで、伝統工芸の水引の結び方に関連付けており、色もかんきつ系の黄緑色。三つの輪は『地域』『家庭』『職場・学校』の意味を表している。あえて一手間掛かる結び方にしたのは、作る過程でリボンの意味を考えながら、ゆっくり手を動かしてもらいたかったから」

 -活動は全国に広がった。

 「兵庫や京都、沖縄、静岡など各地から問い合わせがあり、これまでに300件を超えた。最初はSNSで発信し、地元のメディアにも取り上げてもらったが、こんなに広がるとは想像もしていなかった。同じように偏見をなくしたいと思っている人たちが多かったのだと感じる」

 「リボンを付けたりイラストを貼ったりすれば、プロジェクトに賛同することになり、参加しやすいことが良かったのかもしれない。差別する人を批判する運動ではないので、勇気もいらない。SNSは誹謗中傷が広がるイメージがあるが、善意の連鎖もつながるんだなと思った」

 -『ただいま、おかえりって言いあえるまちに』をキャッチフレーズにした。

 「最初は『おかえり』だけだったが、私たちもいつ感染するか分からないよね、という思いで『ただいま』を入れた。ネガティブな言葉ではなく、柔らかく、ポジティブな言葉遣いにしようと話し合った」

 -プロジェクトの今後は。

 「緩やかに、無理のない範囲で、それぞれのやり方で、多くの人が取り組んでくれればうれしい。コロナであらわになったのは、生きづらい人にしわ寄せがいく一面が、社会にあるということ。収束しても、ただ感染が広がる前に戻るのではなく、コロナが、障害者ら居場所を模索している人たちに目を向けるきっかけになってほしい。多様な立場の人にとって、少しでも優しい社会になればいいなと思う」

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