兵庫県は25日、淡路市内の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの感染を確認したと発表した。県は同日夜、緊急の対策本部会議を開催。養鶏場で飼育されている約14万6千羽の殺処分に向けて準備を始めた。県は、自衛隊に派遣を要請した。県内で今季の感染確認は野鳥を含めて初めて。農林水産省や県によると今年、養鶏場での感染確認は香川、福岡に続いて3県目。
兵庫県内では2004年、同県八千代町(現多可町)の食肉処理場で、京都府内の養鶏場から生きたまま納入された鶏の感染が確認されたが、養鶏場での感染確認は初めてとなる。
県によると、同日午前、養鶏場から「通常より多くの鶏が死んでいるのが見つかった」と県淡路家畜保健衛生所に連絡が入った。同所が簡易検査を実施し、その後のPCR検査で疑似患畜と確定した。
県は、陽性が確認された養鶏場の半径3~10キロの養鶏場など7戸(約1万羽)に区域外への搬出を禁止した。鶏や卵の移動が禁止となる半径3キロ以内には、他に飼育施設はないという。周辺の主要道路では畜産関係車両の消毒も実施する。
県によると、県内には採卵・肉用の養鶏場計194戸(飼育計約820万羽)をはじめ、鳥類の飼育施設が計365カ所ある。
国内の養鶏場では約3年ぶりに、香川県三豊市で今月5日、高病原性鳥インフルエンザが確認された。これを受けて、兵庫県は県内3カ所の家畜保健衛生所を通じ、養鶏場などの全施設に対し、緊急の消毒や防鳥ネットの徹底などを呼び掛けていた。
その後も香川などで感染が相次いだため、業者に消毒用の消石灰の在庫量を確認。飼育施設に対し、施設内消毒を義務付ける「知事命令」を出したばかりだった。(山路 進、藤井伸哉)
