関西広域連合の設立10周年記念式典が25日、大阪市で開かれ、約280人が節目を祝った。連合長の井戸敏三兵庫県知事や大阪府の吉村洋文知事らが参加したパネルディスカッションでは、東京一極集中の是正やさらなる国からの権限委譲など、ポストコロナ社会で広域連合が目指すべき姿を議論した。
パネル討議で、井戸知事は、関西圏の企業が東京に相次いで本社機能を移した例を挙げ、「関西が東京の一極集中を生んでしまった。この歯車を逆に回すのが広域連合の役目。東京に対抗できるパワーが必要で、関西の多様性の統合を目指して広域連合で活動してきた」と述べた。
吉村知事は「東京一極集中を不思議に思わないことが問題でリスクが高い。(東京と大阪の)二眼レフの体制を構築したい」と強調した。
記念式典では、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏の講演や、嘉田由紀子元滋賀県知事ら広域連合発足時の首長らによる座談会を開催。さらに、分権型社会の実現やデジタル化の推進、世界のネットワーク拠点としての関西などを盛り込んだ「関西新時代宣言」を採択した。(藤井伸哉)
