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高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏場=26日午前、淡路市内(兵庫県提供)
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高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏場=26日午前、淡路市内(兵庫県提供)
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 高病原性鳥インフルエンザの感染が、兵庫県内の養鶏場で初めて淡路市内で確認された。兵庫は全国で最もため池の数が多く、中でも淡路島は県内の半数が集中する“ため池王国”。渡り鳥も立ち寄りやすいとみられる。感染原因の解明が待たれるが、県は渡り鳥などと接触した小動物が持ち込んだ可能性に言及しており、養鶏業者は「どこで発生してもおかしくない」と気を引き締める。

■島内1万カ所以上「どこでも発生恐れ」

 県洲本土地改良事務所によると、県内のため池は約2万4千カ所。このうち、淡路島には半数近い1万1492カ所が集中し、「日本で最もため池の密度が高い地域」とされる。雨が少なく、地理的に河川からの十分な取水も難しいため、農業を支える貴重な水源として活用されている。

 特に、今回、感染が確認された養鶏場がある淡路市は、島内3市で最多の5641カ所ある。市北部の中山間地域には、谷筋を土でせき止めた「谷池」と呼ばれる小さな池が多く、渡り鳥など野鳥が羽を休める場所にもなっているという。

 鳥インフルエンザに詳しい京都産業大生命科学部の高桑弘樹教授は「渡り鳥は水辺で休む。ねぐらと餌場の条件が重なれば、ため池に飛来してくる可能性は高くなる」と指摘。最も可能性の高い感染経路として「野鳥のふんなどに接触して感染したネズミやイタチといった小動物」を挙げ、「香川や九州でも発生している。渡り鳥を通し、国内にウイルスは確実に入ってきているだろう」と話した。

 感染対策には防鳥ネットや消毒の徹底などが有効とした上で「小動物が地面を掘って侵入することも考えられる。100パーセント防ぐことは難しく、リスクを下げていくしかない」とする。

     ◇

 今回発生が確認された養鶏場から半径3~10キロ以内に位置し、「搬出制限区域」に指定された養鶏業者の男性(49)は「歳暮に向けた書き入れ時だけに、ダメージは大きい」と漏らす。26日は朝から卵を宅配する顧客への説明に追われた。

 今月に入って香川県内で発生が相次ぎ、警戒感を強めていた。ただ、「野鳥のふんが付いたネズミなどの侵入を、完全に防ぐのは難しい」と対策の限界も感じる。男性は「消石灰の散布などの基本を徹底するしかない」と声を絞り出す。

 淡路市と南あわじ市に養鶏場を持つ別の業者の男性(41)も、防鳥ネットなどで外部からの侵入対策に力を入れるが、「しっかり管理しても感染の恐れはある。目に見えないウイルスを防ぐ難しさがある」と明かす。今回の発生を受け、出荷ルートは県が設置した消毒ポイントを通るように制限した。「今まで以上に神経をとがらせ、従業員や出入り業者の消毒といった対策を続けたい」と話した。(上田勇紀、上杉順子、伊田雄馬、赤松沙和)

■鶏肉や卵食べて感染例なし 加熱すればより安心

 鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスが引き起こす鳥類の病気で、排せつ物などを介して感染が拡大する。

 農林水産省などによると、国内では鶏卵や鶏肉などを食べることで感染した例はないという。同ウイルスは加熱すれば感染性がなくなり、食中毒の観点からも70度以上になるよう加熱すれば問題ない。住民らが発生現場を見に行くことはやめるよう注意している。

 一方、海外では、感染した鳥の羽根や粉末状のふんを吸い込むなど人の体内に大量のウイルスが入った場合、極めてまれに人が感染することが報告されている。

 養鶏農家には、人、モノ、車両によってウイルスを持ち込まないよう、衛生管理区域や鶏舎への出入り時の洗浄、専用の衣服や靴の使用を呼び掛ける。感染疑いがあれば、すぐに家畜保健衛生所や獣医師への連絡を求めている。(井川朋宏)

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