兵庫県尼崎市は3日、市内の高校で、新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生したと発表した。2日までに生徒7人の感染を確認した。市内の学校でのクラスター発生は初めて。市は学外に感染が広がる可能性は低いとして、学校名を公表していない。
市によると、この学校では、11月28日に1人、同30日に2人の感染が発覚。3人と接触があった生徒ら計約80人がPCR検査や抗原検査を受けた結果、2日、別の生徒4人に陽性が確認された。
感染者が出たクラスは学級閉鎖となっている。市保健所は、授業や部活動などで感染が広がったとみて、引き続き学内での濃厚接触者の調査を進める。同保健所の担当者は「昼食時などどうしてもマスクを外すタイミングがある。改めて対策を徹底してほしい」と呼び掛ける。
さらに市は、同市に住む10歳未満~90代の男女21人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。21人は、クラスターが発生した高校の生徒4人を含む。
市によると、年代別の人数は、10歳未満2人▽10代6人▽20代1人▽30代2人▽40代1人▽50代4人▽60代3人▽70代1人▽90代1人。18人が軽症で、3人が無症状。10人は感染者と接触歴があったという。
医療関係者の50代女性は、県立西宮病院の看護師。病院内での濃厚接触者は確認されず、病院は通常通り開業している。
また市は、県と東京都が感染を確認した90歳以上の無職女性、会社員の40代男性が尼崎市在住であることも公表した。
一方、尼崎市教育委員会は、市立小学校の児童1人と、市立中学校に通う生徒1人の感染を確認した。2人とも同居人が感染し、濃厚接触者としてPCR検査をした結果、陽性が分かった。2人は、市が3日に感染者として公表した21人に含まれている。
中学校については、市保健所が接触があった生徒や教職員計約50人を対象にPCR検査を進めており、臨時休校となる。小学校は、学内に濃厚接触者がいないため、通常通り授業などを継続する。
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