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在庫の医療用ガウンを持つタニー・パックの宮口正人取締役(左)と、服部の入梅功・衛生商品担当マネジャー=豊岡市元町
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在庫の医療用ガウンを持つタニー・パックの宮口正人取締役(左)と、服部の入梅功・衛生商品担当マネジャー=豊岡市元町
医療用ガウンの製造に取り組むかばんメーカーの従業員たち=豊岡市九日市上町(服部提供)
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医療用ガウンの製造に取り組むかばんメーカーの従業員たち=豊岡市九日市上町(服部提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大で医療用ガウンが不足したことを受け、兵庫県の依頼で生産体制を整えた同県豊岡市のかばんメーカーが、生産継続の是非を巡ってジレンマに陥っている。経済活動を再開させた中国の安い輸入品に押され、豊岡製ガウンが不良在庫となる恐れが出ているためだ。流行の「第3波」による需要増に備えてひとまず生産を続ける方針だが、「今後の見通しが立たなければ、やめざるを得ない」と頭を抱える。(森 信弘)

 豊岡市は国内最大のかばん産地だが、コロナ禍で需要が激減。その中で、同市のかばん卸製造の「服部」が4月、品薄となった医療用ガウンの生産を県から依頼された。

 培ってきた技術を有効活用して医療現場を支えるため、服部など豊岡の3社はガウン生産に協力することを決めた。ポリ袋を製造する「タニー・パック」が、静電気を防ぐ肌触りの良いポリエチレン素材を提供。かばん製造の「フミオ工業」が大型の裁断機を使ってガウンに仕立てた。かばんの生地をくっつける「溶着」の技術を活用し、製造ラインも整えた。

 3社はこれまでに、県や日本赤十字社などの病院に、使い捨てタイプの約13万枚を納入。ごみ袋を切って自作していた研修医から「本当にありがたかった」と感謝されるなど、貢献を感じられてやりがいがあったという。かばんの需要が回復しない中で「もう一つの柱に」との期待もあった。

 だが、ガウンの注文は緊急事態宣言が解除された後の7月から減り始め、9月以降はほぼ皆無に。在庫が約11万枚に膨れ上がり、現在は生産を見合わせている。その原因は、およそ3分の1という中国製との価格差だ。当初は3社と随意契約した県も、安定調達できるようになると、競争入札に切り替えた。

 県は第1波の教訓を踏まえ、医療機関向けの物資を半年分以上、備蓄している。防護服を含むガウンの必要量は約280万枚だが、厚生労働省からの提供分などを合わせ、12月4日時点の備蓄量は約350万枚に上る。

 服部によると、今も医療機関や介護施設から問い合わせがあるが、価格面で販売に結びついていない。コスト削減も視野に入れつつ、服部の服部清隆社長(56)は「国内産確保の必要性が言われるが、有事にだけ頑張るのは難しい。コストを下げるためにも、普段から最低限でも安定した注文がほしい」と訴える。

 県鞄(かばん)工業組合(豊岡市)は、これとは別に医療用ガウンを製造する国の事業に参加。10月までに不織布タイプの105万6千枚を納め、取り組みを終えた。

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