兵庫県宝塚市の中川智子市長(73)は8日、任期満了に伴う来年4月11日投開票の同市長選に立候補せず、政界を引退すると表明した。後継指名はしないものの、後援会などが推す候補者を支援する方針。
中川市長は和歌山県生まれ。元社民党党首の故土井たか子氏の影響で政界に入った「土井チルドレン」の一人。1996年から衆院議員を2期務め、阪神・淡路大震災後には被災者生活再建支援法の成立に尽力した。2009年の市長選に無所属で立候補して初当選し、現在3期目。
8日の市議会本会議で、社民党の梶川美佐男市議の質問に答えた。中川市長は性的少数者(LGBT)や「就職氷河期世代」と呼ばれる人への支援施策に取り組んだことに触れ「至らぬ点はあったが、自分なりに精いっぱいやってきた思いもあるため、立候補しない決意をした」と述べた。その後の記者会見で「後継指名はしないが、この方ならという方との出会いがあり気が楽になった」と説明した。(中川 恵、久保田麻依子)