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草を食べる2頭のヤギ。研究を進める菅井さん(左)と守さんが見守った=淡路市楠本
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草を食べる2頭のヤギ。研究を進める菅井さん(左)と守さんが見守った=淡路市楠本
除草実施前(菅井さん提供)=淡路市楠本
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除草実施前(菅井さん提供)=淡路市楠本
除草実施2週間後=淡路市楠本
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除草実施2週間後=淡路市楠本

 兵庫県立大大学院の学生らが、淡路市内でヤギ2頭による除草実験を進めている。雑草が生い茂る場所に、決まった範囲だけ動けるようチェーンなどでつなぎ、食べさせることで除草する。草刈り機と比べ、燃料を使わないため環境への負荷が少なく、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に沿う取り組みとしても期待される。(上田勇紀)

 同大学院・緑環境景観マネジメント研究科(淡路市野島常盤)2年の菅井暁乃(あきの)さん(24)が、同科のインストラクター守(もり)宏美さん(47)の助言を受けながら取り組む。同科と同じキャンパス内にある県立淡路景観園芸学校の「SDGs推進チーム」メンバー同士で、一緒に活動を始めた。

 燃料を消費しないヤギによる除草は、高齢化などで増える耕作放棄地の管理や、景観保全などが目的。守さんは県西宮土木事務所職員だった2018年、尼崎市で「ヤギ除草」実験を試みた経験がある。19年4月に現職に異動後、淡路市でもやってみようと考えた。

 今年2~3月、淡路市内の観光施設「淡路カントリーガーデン」からヤギ1頭を借り、同園芸学校の敷地内で試行した。その後本格的に進めるため、5月に同観光施設から親子のヤギ2頭を購入。8~11月、地元住民の協力を受け、同市内の耕作放棄地3カ所で実施した。

 そのうちの一つ、同市楠本の約80平方メートルの場所は、ヤギが食べる前の10月27日時点で、セイタカアワダチソウやススキなどが生い茂り足の踏み場もないほどだった。だが約2週間後の11月10日には、ヤギが動ける範囲の雑草は多くが食べられ、茶色い地面が見える状態になった。「除草効果はすごい」と菅井さんは驚く。

 淡路島では昭和30年代、乳を搾るためにヤギを飼育するケースも多かったという。「島の風景にヤギはなじんでおり、近所同士の会話が生まれるきっかけにもなる。いろんな場所を巡回するようなネットワークをつくりたい」と守さん。

 一方で、1日1回はチェーンが絡まっていないかチェックしたり、配合飼料と水を与えたりする必要があるなど、世話の手間は掛かる。同園芸学校ではそうしたノウハウを伝えようと、来年度、ヤギ除草の方法を教える一般向けの講座を計画している。

 菅井さんは、ヤギで除草した後の植生をテーマに修士論文を執筆する予定で、「自分が修了した後も、2頭のヤギは地域の除草で活躍してほしい」と話した。

■浜松市は普及へ補助金

 ヤギを活用した“エコ除草”に、熱い視線を送る自治体もある。浜松市は2017年度に、ヤギを放つ除草実験を実施。普及を目指して18年度からは、ヤギやヒツジによる除草に補助金を出す独自の取り組みを始めた。毎年数件の利用があるという。

 耕作放棄地が増える中、急傾斜地では人力の草刈りが危険なこともあり、同市が実験を計画。17年6~7月、市内の農園2カ所に約10日間ずつヤギを放って調べた。

 2頭を放牧した農園では、急傾斜地を含めて雑草を食べ尽くす勢いで、3頭を放したもう1カ所でも、広範囲の草を食べたという。

 市は、ヤギと人の除草スピードや費用を比較。ヤギの除草スピードは平地・急傾斜地とも1日10平方メートル程度だった。人が草刈り機を使うと、平地は1時間約100平方メートル、急傾斜地は同20平方メートルで、スピードでは人に軍配が上がる。

 一方費用面は、平地の場合、ヤギ除草(つなぎ飼い)と人力はほぼ同じだった。

 浜松市は、18年度から飼育の勉強会も開催している。同市農業振興課は「どれぐらいの完成度を求めるかにもよるが、(ヤギ除草は)急傾斜地を含めて除草能力は高い。環境にも優しい」と期待を寄せる。

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