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平和学習で訪れた小学生。新型コロナの影響で修学旅行先としても人気に=加西市鶉野町
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平和学習で訪れた小学生。新型コロナの影響で修学旅行先としても人気に=加西市鶉野町
鶉野飛行場跡で開かれた気球のイベント=19日午前、加西市鶉野町
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鶉野飛行場跡で開かれた気球のイベント=19日午前、加西市鶉野町

 太平洋戦争時の戦闘機「紫電改(しでんかい)」の実物大模型が公開されている兵庫県加西市鶉野(うずらの)町の「鶉野飛行場跡」と周辺の戦争関連の遺跡を、平和学習に生かす同市の取り組みが進んでいる。本年度から始まった修学旅行での利用は、新型コロナウイルスの影響で旅行先を近場に変更する学校が増えたことから急増。既に来年度の利用を決めた学校もある。紫電改の模型などを展示する新たな拠点施設の建設も始まっており、同市は「コロナ後」にも手応えを感じている。(小日向務)

 鶉野飛行場はパイロット養成のため、太平洋戦争中の1943(昭和18)年に建設され、姫路海軍航空隊が開設された。近くに紫電改などを建造した川西航空機の工場もあった。同航空隊は「九七式艦上攻撃機」などに乗って神風特攻隊「白鷺(はくろ)隊」として沖縄戦に出撃、63人が命を落とした。現存する滑走路は長さ約1・2キロ。2016年に国から払い下げを受け、加西市が管理している。

 11月下旬には地元・加西市の北条小学校の6年生が平和学習で訪問。女児(11)は「ひいおばあちゃんから『空襲があって近くの溝の中に逃げた』と聞いた。その時の怖さが少し実感できた」と話した。

 同飛行場跡周辺には、戦争の遺跡も残る。巨大防空壕(ごう)では、特攻隊員たちの遺書を基にした映像作品を上映。別の防空壕や対空機銃座跡、爆弾庫なども残る。

 現在、紫電改の模型がある備蓄倉庫の隣では10月末、平和学習の拠点となる新施設の起工式があった。紫電改に加え、来年度に製作する九七式艦上攻撃機の実物大模型も展示し、22年にオープンの予定。新施設では、映像や資料で飛行場の歴史を解説し、当時の訓練生と地元住民の交流なども紹介。特産品や軽食を販売するコーナーも設ける。

   ◇   ◇

 同飛行場跡を修学旅行などで訪れた小中学校は本年度、既に30校に上る。学校は加西、養父市など兵庫県内のほか大阪、京都、奈良など近畿一円で、年度内にさらに8校増える予定だ。大半が新型コロナの影響で急きょ行き先を変更して訪れた。大阪や奈良の約20校からは訪問後、来年度の“予約”が入ったという。

 加西市の担当者は「飛行場跡に加え、さまざまな戦争遺跡が徒歩圏内に残るケースは全国でも少ない」と強調。ガイドも用意しており、「拠点施設の完成前だが、既に平和学習の場として一定の評価を得た」と手応えを語る。宿泊も市内の施設を使う学校が多いといい、「地域の活性化にもつながっている」と喜ぶ。

■「気球の飛ぶまち」でもPR 16年に条例制定

 かつて特攻隊員が飛び立った鶉野飛行場。その跡地にはもう一つの顔がある。気球飛行の拠点だ。

 加西市は2016年、「気球の飛ぶまち加西条例」を制定。同飛行場跡を拠点に、気球を地域振興などに生かす取り組みを進める。同市内は台地上に平野が広がり、上空は比較的落ち着いた風が吹くなどフライトに適しているという。愛好家グループにも好評で、11月から翌年5月のシーズンは各地から気球が集まる。

 今シーズンは一角で拠点施設の工事中のため、飛行場跡からフライトしたグループはないが、市は19、20日に「ハッピーバルーンクリスマス」というイベントを企画した。搭乗体験などのほか、19日夕は係留した気球をバーナーの炎で照らし花火も打ち上げる予定。

 かつて戦闘機が飛び交った空を気球が彩る。そんな光景も、平和の尊さを伝えるのに一役買っているといえるかもしれない。イベントの問い合わせは、気球の飛ぶまち加西推進委員会TEL0790・42・8756

(小日向務)

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