大みそかにNHKで放送される第71回紅白歌合戦に出場する歌手の曲目が発表され、紅組の松田聖子さんが「瑠璃色の地球」を歌うことが決まった。約8年前から神戸に拠点を移し、今年デビュー50周年を迎えた作詞家松本隆さんが歌詞を手掛けた作品。コロナ禍で世界中が沈む今年、希望を取り戻してもらおうと市民が歌う動画を制作し注目されており、混乱が続く年末に、再び希望の歌声が響く。
松本さんは松田さんのヒット曲をはじめ、日本レコード大賞に輝いた寺尾聰さんの「ルビーの指環」などの名曲を創作、Jポップの礎を築いた。現在は兵庫に住み、地方からの音楽文化発信に尽力している。
その一つとして、34年前のアルバムに収録された「瑠璃色の地球」を市民ら約200人以上が歌い継ぐ動画を制作。動画投稿サイト「ユーチューブ」で流した。
〈♪夜明けの来ない夜は無いさ〉と励ましの言葉で始まり、地球を守ろうと訴える。作詞した当時、環境破壊が社会問題化しており、それを食い止めようという願いを込めた。今は新型コロナの恐怖の中にいる人々を励ます言葉となった。
10月には、その歌詞を神戸新聞の紙面全面を使って紹介し、「夜明けの来ない夜は無いさ」と署名入りで自筆。積極的にメッセージを発信してきた。
松本さんはこれまでの神戸新聞の取材で、「神戸は東京にはない自由な風が吹いている」と話す。そして「この街に住ませてもらい感謝している。これからも神戸発の文化発信に尽くしたい」と話している。
(津谷治英)