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学習の遅れを解消するための短時間授業でプリント問題に向かう生徒=神戸市立夢野中学校
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学習の遅れを解消するための短時間授業でプリント問題に向かう生徒=神戸市立夢野中学校

 新型コロナウイルスの感染拡大による休校などで生じた公立小中学校での学習の遅れが、兵庫県内全41市町の8割超に当たる34市町で2学期中に解消することが、神戸新聞の各市町教育委員会への取材で分かった。学校再開後、各校とも夏休みを短縮したり、授業の時間を増やしたりして遅れを挽回した。残る7市町も本年度中に解消される見通し。一方で、授業が理解できていない児童生徒もいるとみられ、多くの教委が個人への目配りや支援の継続を学校に求めている。(斉藤絵美、太中麻美)

 休校は3月上旬、国の要請を受けて全国一斉に始まり、兵庫県の公立小中学校では春休みを挟んで5月末まで約3カ月間に及んだ。

 授業の遅れは1年間に学ぶ内容の1~2割とされ、解消に向けて全市町が夏休みをお盆前後のみに限るなどして短縮。運動会や音楽会を中止、縮小して授業に置き換えたり、朝や放課後に短時間授業を行ったりした学校も多い。

 神戸新聞が11月1日現在の授業の進捗(しんちょく)を41市町教委に尋ねたところ、神戸、西宮、明石など31市町が既に遅れを取り戻し「例年並みに進んでいる」と回答。加古川など3市が「2学期末までに追いつく」と答えた。

 残る7市町のうち、加西市は「2021年1月末までに追いつく」と回答。尼崎、姫路など6市町は「21年3月末までに追いつく」とし、「来年度に持ち越しそう」とした教委はなかった。

 猪名川町は、中学校は11月までに解消したが、小学校は年度末までかかる見通し。

 神戸市では、夏休みを例年より中学校が24日間、小学校は15日間短縮し、小学校では火曜に6時間目を、中学校では水曜に7時間目をそれぞれ新設した。

 同市立義務教育学校港島学園中学部は、読書などの時間に充てていた昼休み後の20分間を授業に活用し、遅れを取り戻した。12月からは放課後、3年の希望者に補習の時間を設ける。

 同部9年(中学3年)の学年総務、谷川彰宏教諭(58)は「特に受験生は、休校による遅れについて心配していた。授業のスピードは上がったが、生徒は頑張ってついてきてくれた」と振り返った。

 同市教委の担当者は「ようやく授業の遅れを取り戻せた」と述べ、「学校は踏み続けてきたアクセルを少し緩め、個別にフォローする時間などを設けてほしい」と求めている。

■「授業についていけない」の声も

 休校による学習の遅れは兵庫県内の大半の学校で解消されているものの、6月の学校再開以降、児童生徒や保護者らから「授業についていけない」という声もあり、専門家は「過密授業」による児童生徒への影響を懸念する。

 朝来市出身で、「百ます計算」で知られる学力向上アドバイザーの陰山英男さんは、遅れの解消について「2学期は運動会などの行事を中止して時間を確保し、授業が比較的スムーズに進んだと学校現場からも聞く」としつつ、「授業は進んでも、子どもに学習内容が定着したかどうかはまた別」と指摘する。

 本年度から学習指導要領が改定されたことも挙げ、「小学校は教科書も変わった。私も教えてみたが、理解が難しい内容が単元の冒頭にくるなど、難度が上がったと感じた」と分析。その上で、学習のつまずきが生じた場合に対応できるよう「基礎力を高めることが大事」と強調する。

 陰山さんは保護者に向け、「テストの答案が返ってきたら、点数より基礎的な部分を間違っていないかどうか確認してほしい」と要望。高校受験を控えた中3生に対しては「模試や学校のテストを分析し、積み残しがないかチェックすることが重要」とし、「簡単な問題集で1年のおさらいをしてみるのも一つの方法」と助言する。

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