お正月を前に、兵庫県姫路市の南西部で特産レンコンの出荷が最盛期を迎えている。断面に穴があるため「将来が見通せる」といわれ、おせち料理には定番の食材。厳しい寒さの中、農家が真っ黒な泥田に腰まで漬かり、白い肌のレンコンを一本一本掘り出している。
同市大津区勘兵衛町は大正期からの産地として知られ、「姫路れんこん」などの名前で主に県内で流通している。現在は約20軒の生産者が地区内外の約12ヘクタールで栽培。収穫は夏の終わりから始まり、年末にピークを迎える。
50年近く栽培する農家の高田明さん(69)によると、今年は台風の直撃がなく出来栄えがいいという。「サクサク、もっちりの食感が自慢。寒さとともに味わいも増してきた」と胸を張った。(小林良多)