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「母には紫かな」「あの子はこのキャラクターにしよう」と、お年玉袋を選ぶ買い物客ら=神戸市中央区小野柄通8、神戸ロフト
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「母には紫かな」「あの子はこのキャラクターにしよう」と、お年玉袋を選ぶ買い物客ら=神戸市中央区小野柄通8、神戸ロフト
お年玉の代わりに、親戚の子どもへのプレゼントを選ぶ女性=神戸市中央区西町、ファミリア神戸本店
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お年玉の代わりに、親戚の子どもへのプレゼントを選ぶ女性=神戸市中央区西町、ファミリア神戸本店

 もうすぐお正月。新型コロナウイルスの影響で年末年始の帰省を取りやめる人も多い中、お年玉の渡し方などを悩む声が目立つ。神戸市の雑貨店では11月、お年玉袋の売り上げが2割以上も減少。現金以外のものや電子マネーで済ませるなど新たな形も出てきた。誰かに託すか、振り込むか、渡さないか-。家族のつながりの象徴である正月文化が、揺らいでいる。(坂井萌香、小谷千穂)

 新型コロナウイルスの猛威が続く兵庫県は、東京、大阪など感染拡大地域への不要不急の往来を控えるよう要請している。隣接する大阪府でも、知事が年末年始の帰省を控えるよう呼び掛ける。帰省先で正月を過ごす人の数が大幅に減ることが予想される中、神戸ロフト(神戸市中央区)では11月のお年玉袋の売り上げが減り、前年比76%となった。

 「毎年父を囲んで4世代で食事をするが、今年は中止」と声を落とすのは、神戸市中央区に住むアルバイトの女性(62)。いつもは孫ら12人にお年玉を渡すが、今回は手渡せない。それぞれの親に託すが「お金より新年のあいさつが目的なので、できたら顔を見て渡したいけど…」と悩ましげだ。

 人に託したり、現金書留で送ったりする人がいる一方、「会えない今年は見送る」という人も。同市灘区の接客業の女性(43)は、一緒に暮らす長女には渡すが、和歌山県のめいには「会えなかったらわざわざ渡さない。直接渡したいし、お礼も直接聞きたいから」と話す。

 現金ではなく、ものをお年玉の代用にするケースもある。介護タクシー運転手の女性(56)=同市西区=は、大阪府吹田市にいる1歳のめいに、ぬいぐるみなどのおもちゃを贈ろうと考えているという。「お金だけを送るのも味気ない。『良い年になるように』と気持ちを伝えたい」。顔を合わせないからこそ、贈り物に思いを込めるアイデアだ。

 電子マネーや振り込みなど、現金でないお年玉の形に興味を持つ子育て世代も増えている。埼玉県の会社員の女性(27)は、20代の同僚が親戚に電子マネーでお年玉を送金する予定という。女性は「気軽に送れるし、便利で新しい」と賛成する。

 お金についての知識を教えるファイナンシャルアカデミー(東京都千代田区)は11月、子どもを持つ全国の男女300人にお年玉のキャッシュレス化について調査したところ、半数以上が肯定的だったという。前年度の38%に比べて増えており、その理由として「支払いが便利」「衛生的」「コロナ禍で帰省ができない」などが挙がる。一方反対意見では、「お金のありがたみが分からない」との声も出ている。

■「正月らしさ保つ工夫を」関西学院大学の島村恭則教授(現代民俗学)の話

 お年玉はハレの日(特別な日)の儀礼として意味を持つ。親戚同士など人と人とを結び付けるコミュニケーションの一つで、お年玉を渡す際に一年の抱負を子どもに述べさせるなど教育的な役割も果たしてきた。

 オンラインのお年玉が受け入れられるかは、祝祭の意味が維持されるかにかかっている。中国では数年前から、「お年玉袋」に相当するアプリを用いるなど、正月らしさを保ちながらやりとりしている。日本でも単なる送金行為にならないよう、正月らしい雰囲気が醸し出される形でメッセージを添えるなどの工夫が必要だろう。

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