兵庫県は12日、新型コロナウイルスの急激な感染拡大に伴い、政府が13日に緊急事態宣言を再発令した場合、翌14日から2月7日まで、県内全域を対象に時短営業などの措置を要請することを決めた。飲食店や遊興施設に午後8時までの時短を求めるほか、イベントの開催は上限5千人に制限。県民に午後8時以降、不要不急の外出自粛を徹底するよう要請する。
12日、県の対策本部会議と医療関係者や有識者による協議会を合同で開催し、対応を決めた。会議後に会見した井戸敏三知事は「宣言が発せられる厳しい状況だということを、県民に共有してもらいたい」と述べた。
井戸知事はこれまで、緊急事態宣言に基づく措置の範囲は「地域限定になる」と説明していた。しかし県内の医療圏ごとの感染者数や、同時に宣言が発令される大阪と京都が府域全体を対象に含めることなどを踏まえ、兵庫も県内全域に適用するべきと判断した。
措置の内容は、飲食店や、飲食店営業許可を受けているカラオケ、キャバクラなどの営業は午後8時まで、酒類の提供は午前11時から午後7時までを要請。1日当たり協力金6万円を支払う。財源は国が8割、県と市町で残りを負担する。
体育館やスポーツジム、映画館などには同様の制限を働き掛けるが、協力金は支給されない。
企業などには出勤者の7割削減を目指し、在宅勤務やテレビ会議の推進を求める。学校園の一斉休校は要請しないが、各校で時差登校や分散登校を判断してもらう。
兵庫県内では1月に入って感染者が急増し、9日には初めて300人を突破した。入院病床の使用率は75・4%に達し、このうち重症向けの使用率は63・8%となっている。
県は12日、新たに入院病床を50床程度増やし、800床程度の確保を目指すことも明らかにした。
会議後、同協議会座長の荒川創一・神戸大大学院客員教授も取材に応じ、「このままの状況が続けば、医療崩壊もあり得るという緊張感が必要」と話した。(紺野大樹)
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