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遺言書を法務局で保管する利点について解説する浜岡夕希雄さん=神戸地方法務局
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遺言書を法務局で保管する利点について解説する浜岡夕希雄さん=神戸地方法務局

 「終活」をする人が増える中、自筆証書遺言が注目されている。遺言書作成を進め、紛失や改ざんなどのトラブルを防ごうと、昨年7月には「自筆証書遺言書保管制度」がスタートし、自筆の遺言書を法務局で保管できるようになった。どんなメリットがあり、注意すべき点は何か。神戸地方法務局(神戸市中央区)の遺言書保管官、浜岡夕希雄さんに聞いた。(佐藤健介)

 -遺言にはどのような方法がありますか。

 「公証人が関わる『公正証書遺言書』と、遺言者本人が手書きする『自筆証書遺言書』です。公正証書遺言書は証人2人以上が立ち会い、公証人が遺言を口述筆記し、内容の有効性などを確かめた上で公証役場に保管します。自筆証書遺言書は全文、作成日付、氏名などを手書きできれば一人でも作成できます。保管場所は任意ですが、遺言者が死亡した場合、家庭裁判所の検認が必要です」

 -なぜ自筆証書遺言書を法務局に預ける新制度ができたのですか。

 「自筆の遺言書は手軽で自由度が高い半面、遺言者が保管場所を忘れるなどして遺言書を見つけられない場合があり、一部の相続人が自分の都合のいいように改ざんする恐れもあります。こうしたトラブルを防ぐ手段として、法務局が遺言書を厳重に管理します。相続開始後の遺言書の検認も不要です」

 -どうやって遺言書を預かってもらうのですか。

 「遺言者が、住所地、本籍地、所有不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局に申請します。本人確認書類、本籍と戸籍筆頭者の記載のある住民票の写しなどが必要で、申請費用は1通当たり3900円。全文、日付、氏名の自書、押印など民法が定める方式で、用紙サイズや余白などが制度の様式にのっとっていると認められれば、法務局が原本を預かります。スキャンして画像情報としても保管します」

 -遺言者死亡後、相続開始後の手続きは。

 「相続人は遺言書の内容に関する証明書を交付請求できます。相続関係の手続きに必要となる書類です。相続人が証明書の交付や閲覧をした場合、他の相続人にも通知されます」

 -注意すべきことは。

 「法務局には遺言書の内容が有効かどうかを判断する権限がありません。せっかく預けた遺言書が無効だったという事態にならないよう、遺言作成段階で弁護士など専門家の助言を受けることをお勧めします。書式や手続きなど制度については法務省や神戸地方法務局のホームページにも掲載されています」

 -円滑な遺産相続について助言を。

 「相続人による遺産分割協議が合意に至らなければ家裁での調停・審判となります。司法統計によると、家裁での遺産分割に関する取扱件数(2019年)は1万2千件を超えています。遺言書があれば相続が円滑に進み、保管制度がその一助になると期待しています。法務局に対する遺言書の保管申請は20年11月末時点で1万905件(うち兵庫県473件)、相続人による証明書の交付請求は46件(同2件)。円満な遺産相続のため、保管制度の利用を検討してください」

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