兵庫県教育委員会は13日、同県姫路市継の集落遺跡「登リ田遺跡」で、飛鳥時代の墓とみられる穴から、水の祭祀に用いられたとされる「土馬」2体が出土した、と発表した。土馬は川などから出土するケースが多く、墓の跡から見つかるのは全国的にも珍しいという。(斉藤絵美)
同遺跡は八家川の河川整備事業に伴い、昨年7~12月に発掘調査を実施した。
昔、馬は病気をもたらす疫病神の乗り物と考えられていたため、病気を広めないよう土馬の脚を折って水に流した説があるという。今回出土した土馬は土製の焼き物で、全長がそれぞれ29センチと24・4センチ。手綱や鞍などの馬具が表現された「飾り馬」で古い時期のものと考えられ、飛鳥時代とみられる墓の穴(長さ2・9メートル、幅0・7メートル、深さ0・25メートル)から見つかった。
調査に携わった県まちづくり技術センターの職員は「昔の人も疫病の流行を防ぐおまじないをしてきた。コロナ禍に昔の人の営みに思いをはせてもらえれば」と話している。
土馬は16日~3月14日、兵庫県立考古博物館(播磨町)で開かれる企画展「ひょうごの遺跡2021-調査研究速報-」で展示公開される予定。月曜休館。入館料が必要。同館TEL079・437・5589
