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山川泰宏さんにささげるオリジナル曲「竹灯籠の人」を歌う堀内圭三さん=京都市西京区
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山川泰宏さんにささげるオリジナル曲「竹灯籠の人」を歌う堀内圭三さん=京都市西京区
活動は東日本大震災の被災地にも広がった。東北に運ぶ竹灯籠の準備にも励んだ山川泰宏さん=2013年2月、神戸市灘区
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活動は東日本大震災の被災地にも広がった。東北に運ぶ竹灯籠の準備にも励んだ山川泰宏さん=2013年2月、神戸市灘区

 阪神・淡路大震災などの追悼行事で火を灯(とも)す竹灯籠(たけとうろう)を準備する活動を続け、昨年4月に肺腺がんで亡くなった山川泰宏さん=享年(82)=にささげる曲を、京都市西京区のシンガー・ソングライター堀内圭三さん(60)が作った。曲名も「竹灯籠の人」。東日本大震災に遭った東北の地で、山川さんと活動した堀内さんは「ひたむきに灯籠を並べる姿が心に残っている」と話し、被災地と向き合った実直な人柄を重ねる。(伊田雄馬)

 山川さんは兵庫県西宮市に住み、市民団体「神戸・心絆(ここな)」の会長として、神戸・東遊園地の追悼行事「1・17のつどい」で竹灯籠を準備した。堀内さんも阪神・淡路の発災直後、京都から物資を運ぶ活動に従事。その後は足が遠のいたが、再び被災地に目を向けたきっかけが山川さんとの出会いだった。

 2人は2012年9月、がん患者を励ますコンサートの会場で知り合った。当時、山川さんは竹灯籠づくりを東日本大震災の被災地へと広げていた。関心を持った堀内さんは、翌13年から「3・11」の追悼式典に同行するようになった。

 向かったのは宮城県名取市閖上(ゆりあげ)の仮設住宅。「なんでわざわざ、と最初は思った」。現地で、その思いは覆された。目にしたのは地震が起きた午後2時46分が近づくにつれ、仮設住宅から一人、また一人と竹灯籠が並ぶ広場に集まる人たちの姿だった。

 「誰もが失った家族の名が書かれた竹灯籠を探し、手を合わせていた」。亡き人をしのぶ場にゆらめく、ろうそくの小さな炎。山川さんの達筆で書かれた犠牲者の名前には不思議と、魂が宿る気がした。

 堀内さんは18年までの5年間、山川さんらに同行。交流は続き、山川さんが同年ごろにがんの手術をしたことも知っていたが、20年4月、突然の訃報に接した。悲しみと同時に「生きざまを後世に伝えたい」と思いがこみ上げたという。

 「私は忘れない 雪が舞い散る閖上(ゆりあげ)で あなたが灯(とも)した竹灯籠の灯(あか)りを」

 バラード調の曲に乗せ、ギター一本で弾き語る。「在りし日の山川さんを思い出すと、自然に詞とメロディーが浮かんだ」と堀内さん。新型コロナウイルスのため告別式にも参列できず、伝えきれなかった感謝も歌に込めた。

 「あなたはただ竹を切って 祈りの文字を書いて ローソクに火を灯して 祈り続けていた」

 サビの歌詞は、多くを語らず作業に没頭した山川さんの姿そのものという。

 曲は動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。山川さんの写真とともにアップし、無料で視聴できる。堀内さんは「ぜひ多くの人に聞いてもらい、震災の追悼行事が持つ意味を考えてほしい」と話す。

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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